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【テレパインタビュー㉖】イギリス風物語創作の原点は『黒執事』! イラストレーター&マンガ家の集cep先生にインタビューしました!


■Profile

ニックネーム:集cep

SNS(WEIBO):@集cep

職業:大学生&マンガ家、イラストレーター

出身学校:中国湖北美術学院

専攻:アニメーション










■Art Gallery


────早速ですが、まずは先生の自己紹介をお願いします


「こんにちは。集cepと申します。「集」と「cep」は同じ意味で、どちらで呼んでもらっても大丈夫です(笑)。インタビューの機会を頂きましてとても嬉しいです。クリエイティブな話も色々したいので、同じイラストレーターを目指している方に少しでもお役に立てればと思います。よろしくお願いします」



────先生は絵の勉強をいつからスタートしたのでしょうか? そのきっかけは?


「きっかけは、幼稚園の頃、私はよく家の壁に落書きを描いていました(笑)。家族は落書きにとても怒りましたが、そのまま美術塾に通わせました。家族は私に、壁ではなく紙の上で美術の基礎技法を身に付けながら絵を描きなさいと言いました。けど当時の自分は美術塾に行ったことで自己表現欲がさらに高まり、その結果、家の壁は以前よりも落書きがいっぱいになりましたけど(笑)」



────先生の両親は、「絵師になる」という選択を支持したのでしょうか?


「家族は私が絵を描くことに対して、趣味としてならとても支持しています。だけど、将来絵師になることに対しては、まだ躊躇しているようです。まぁ……どちらか言いますと、反対の意思が強いようです。


いくら絵師になったとしても、絵だけで食べていくことは儚い夢であり、安定的な仕事に勤めて欲しいというのが家族の考え方です。しかし、それは違う! 絵師も絵師として生き方がある! と、今自分は両親を説得するために懸命に頑張っています」


────先生の絵柄は、ヨーロッパやイギリスをテーマにしている作品が多いようですが、その方向性で創作する理由はなんでしょうか?


「幼い頃、家庭のしつけがとても厳しかったので、私は高校生になるまでは携帯を持っていませんでした。そうすると情報リソースも限られますので、当時の創作は、学園生活、または近現代の中国がテーマでした。


高校時代に、枢やな先生の名作『黒執事』と出会いまして、それからヨーロッパ風のビジュアル表現にとても興味を持ちはじめました。西洋画、油絵の巨匠たちの作品表現手法も懸命に勉強しました。私はヨーロッパテーマの作品を描く時、インスピレーションがどんどん湧いてきますので、自分の創作テーマには一番合っていると思います。

今でもたまに和風やSFやサイバーパンク的なテーマをチャレンジしてみますが、やはりヨーロッパの題材に比べ、なかなかうまく作品を作り出せないですね。描く時違和感を感じてしまいます(笑)」


────先生は普段、どのようにして創作のインスピレーションを得ているのでしょうか? 創作のために、自分から何かアクションを取ったりしますか?


「インスピレーションを得る方法ですが、私には文章の創作がとても上手な親友がいます。絵を描く前に、まずは彼女に頭の中の物語を文字化してもらい、それを見て一緒に話し合いをしてから創作する、という流れにしています。自分が最も完成度の高いと思う作品は、彼女と一緒に作った作品です。


その他には各国の叙事詩篇と、西洋伝統的な油絵作品を鑑賞することですね。詩を読むと文字や言葉が私に想像力を与えてくれます。油絵作品は静止画だけどそのキャンバスに登場するキャラクターたちの性格、過去、未来のことと、創作背景を想像することで様々なアイデアを得られます。


また毎晩寝る前に、目を閉じて自分のキャラクターの一日を頭の中に再現させることも一つの方法です。自分は不眠症になりがちの体質ですから、それをすることによって逆に眠りにつきやすくなります(笑)」



────先生が得意とする構図と表現を教えてください


「自分が好きな表現手法は、キャラクターの「目の動き」と、キャラクターの「相互影響を表現する構図」です。絵でキャラクターの豊かな感情を表現できれば、それはとても素晴らしいことで、この上ない達成感を感じます」


────先生が今創作しているオリジナル物語を紹介してもらえますか? 作品中に登場するキャラクターや、世界観を教えてください!


「はい、色々な話を作っていますけど、進行中で完成度が最も高い作品を紹介します。タイトルは『XIII(十三)』です。その名の通り、物語に13人のキャラクターが登場します。


この物語は、私と友人の共同創作で、登場するキャラクターの原点は、私自分自身の「多重人格性」から生み出された性格になります。それを芸術的に拡大表現して構成しました。


キャラクターたちを具体的に紹介しますと、傲慢で妄想症になりがちな完璧主義者、反逆的な狂信者、イカれたエピクロス主義者、冷酷残酷な支配者、等となっています(笑)。


ストーリーは、18世紀末から19世紀末までの百年間、二つの国と四つの貴族家族の間の、二世代に渡った争いを描きました。血が繋がっている家族でありながら、お互い信頼と裏切りを繰り返した戦いです。圧倒的な権力を選ぶか、それとも身分を選ぶか、それぞれのキャラクターは違う選択を行い、また違う運命を迎える物語です。


まだ創作途中なので、色々詳しく伝えられない部分もありますが、もし機会があれば、完成したストーリーをぜひ皆様にお見せできればと思います」


────ご紹介ありがとうございます。その他に新作の予定はありますか?


「新作のネタはすでに色々準備しています(笑)。人間ではなく、動物たちを主人公にする物語を描きたいと思っています。だけど動物になると、今の私にとってはまだ経験不足で少し難しく感じています。作品の準備に、色々勉強しなければなりません。


他にも自分が経験した高校時代の思い出を物語にしたいと思っています。……自分はやりたいことはなんでもやるタイプなんです(笑)」



────先生が今後、創作の方向性や技法表現の部分で挑戦したいことをご紹介ください!


「まず創作方面では、一番精力をかけている『XIII』のストーリーを完成させたいと思っています。自分が思う理想的な形は、漫画や絵本の形でそれを公表したいし、キャラクターたちの「meme(ミーム)」もいっぱい作りたいと思っています。


正直、私は自分の絵のスキルが上手だとまったく思っていません。今の作品を客観的に評価すると、絵のスキル技法はまだま未熟で、その足りない部分は自分の情熱を投げ込み、補足しています(笑)


学校での勉強が苦手で美術先生が授業中に教えている理論的な知識はあまり耳に入っていませんでした。それのせいで実際に創作する時はやはり力不足だと感じてしまい、後悔しています。今は作品を作りながらも、基礎的な技法理論をもっと時間かけて固めたいと思っています。


技法の部分について、今後も今と同じ「厚塗り」の作画スタイルを維持していきたいと思います。最近は、色付けにおいて新しい表現方法を色々チャレンジし、デジタルでクラシックな油絵、版画みたいな塗り感覚を再現したいと思っています。色々試しながら自分ならではの、安定的な創作表現スタイルを見つけることを目標にしています」


────ご自身がクリエイターになってから一番印象的だったことはなんでしょうか? またお悩みの部分も教えてください


「一番印象的で、そして幸運なことは、作品創作を一緒に考えてくれる友達に会ったことです。彼女からの支えがなければ、私は今日の自分までにたどり着けないほどだと、断言できます。彼女の豊かな想像力と表現力を分けてもらえるおかげで、私が絵師として現在まで成長できたわけです。


そして作品とキャラクターたちを創作してゆく中で、私の作品を応援してくれた人たちにも、とても感謝しています。クリエイターにとって、自分が褒められるよりも、自分が創作した作品中のキャラクターたち(作品)が人々に好かれたほうが一番の喜びだと思います。


創作の道は、たまに孤独を感じたりします。たまに否定的な評価をうけて自己不信になったりします。だけど作品が他人に認めたことを実感できた時は、不愉快だったことはすぐどこかに飛んでいしまい、またやり続ける勇気が湧いてきます」



────先生が尊敬するクリエイターは? その理由も教えてください!


「私が尊敬するクリエイター様を言いますと、やはりozoi(@siroimorino)先生です。先生の作品は中国でも大変人気が高く、私は先生の作品と出会った時から一目惚れでした。


特に、先生の「線」での作品表現力がとても素晴らしいです。そして、人体構造を深く理解した上での芸術的な表現変形、奇想天外なデザイン構成とカラー配置で構成した作品にとても魅了しました。強烈な感情と深い意味を込めた優れた作品表現だと自分の創作の上でも、とても参考になりました。


自分の作品において先生の作品の「影」はあまり見えないと思いますが、先生の作品は私に確実に影響したし、初見のインパクトは今でも忘れられません。


ちなみに、ozoi先生のイラスト集は、私は3冊同じものを買いました。一冊は勉強模写用で、一冊は鑑賞用で、もう一冊は開封せずに宝物のコレクションにしています(笑)」


────先生は、何か商業的なプロジェクトに参加しましたか?


「残念ながらこのあたりの実績はまだないです。それも自分の画力はまだまだ未熟のせいかな~と思っています。もっと頑張らなきゃね!」



────先生のSNSでよくBJD関連の投稿がありました。先生もドールオーナーなんですね! その業界との仕事提携やコラボに興味がありますか?


「個人的にはBJDドール業界、そしてコラボの話にとても興味を持っています。コラボとは、ドールという美しい媒体に自分の表現特徴と組み合わせして、具現化する工程だと思います。私にとっては夢みたいなことなんです。将来はドール関連のお仕事に勤めたいとも思っていますが、もし近いうちに何かの形でコラボが実現できると大変嬉しく思います!」



────インタビュー大変お疲れ様でした。最後に日本のファンたちに言いたいことをお願いできますか?


「まだまだ日本向けの情報発信は少なくて、私の作品を初めて見られた方が多いと思います。 もし私の作品を気に入ってくれたら、とても嬉しいですし、大変感謝いたします。 皆さんに私の物語をぜひ早くお見せしたいと思っています」

 
 

集cep先生の最新作品情報と商品化企画は、ホビーテレパにて告知していきます。ぜひお楽しみに!


ホビーテレパ運営会社の株式会社ジニヤズでは、若手クリエーターたちの作品や発想、活動をインタビューを通して世界中の多くの人々に伝えることを応援しております。


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