なぜウケる? 中国で人気の日本アニメ3つの特徴と人気の理由とは!?
世界で高い評価を誇り、今や日本を代表する文化と言われる「日本アニメ」。
中国でもまた、多くのアニメが人気を集めています。
今回は、中国で人気の日本アニメの特徴や人気の理由について詳しく解説しています。

※bilibili(https://manga.bilibili.com/)より転載
中国で人気の日本アニメに見られる3つの特徴とは?
中国で人気の日本アニメにはどのようなものがあるのでしょうか。
「中国で日本アニメを見るならここ!」と言われるほど数多くの作品を配信している動画サイト・Bili Bili動画のランキングによると、トップ5は次の通りでした。

※bilibili(https://manga.bilibili.com/)より転載
1.鬼滅の刃
2.呪術廻戦
3.はたらく細胞
4.転生したらスライムだった件 S2
5.はたらく細胞 S2
日本でもおなじみのアニメがランクインしています。トップ5以下も「小林さんちのメイドドラゴン」、「かぐやさまは告らせたい」など、納得のラインナップでした。
このランキングから、中国で人気の日本アニメの特徴として次の3点が挙げられます。
①なんでもありの自由な世界観
ランクインした全ての作品に共通する特徴は、現実世界とはかけ離れた世界観であるということです。ありそうだけど絶対にない、自由な世界観を持った作品が人気を集めているようです。
②ビジュアルの個性的なキャラクター
こちらもランクインしたほとんどの作品に共通する特徴です。
作品に出てくるキャラクターは街中で普通に見かけるような姿をしておらず、個性的でキャッチーな外見であることも人気作品に共通した特徴と言えるでしょう。
③ドキドキハラハラの学園もの
トップ5以下の作品にも注目すると、高校生の学園ものが数多く登場しています。先に紹介した「かぐやさまは告らせたい」のほかにも「ようこそ実力至上主義の教室へ」や「氷菓」などが上位に食い込んでいました。
いずれも共通している点は、一風変わったドキドキハラハラな高校生活を描いているということです。

©赤坂アカ /集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
3つの特徴から分かる中国で日本アニメがウケる理由とは?
上記3つの特徴から、日本アニメが中国でウケる理由を解説します。
①規制の緩い日本ならではのなんでもありの表現
まず、特徴①なんでもありの自由な世界観が人気のわけを考えていきましょう。
中国では作品に対する規制があり、制作されるアニメのストーリーにも一定の基準が設けられています。それに対し日本アニメは規制が緩く、いわばなんでもありの世界観の作品が楽しめるのです。
この点が、日本アニメが中国でウケるひとつ目の理由と言えます。
②企業も積極起用する独自のコスプレ文化
次に特徴②ビジュアルの個性的なキャラクターはどうして中国でウケるのでしょうか。
それは中国独自のコスプレ文化との関係が考えられます。
中国ではコスプレが独自の文化を築いており、コスプレーヤーの地位は日本以上に高いとされています。2010年ごろからはコスプレーヤーを起用する企業も増えており、若者中心にコスプレ市場はさらに広がりを見せています。
コスプレ文化に引っ張られるかたちで、ビジュアルの魅力的なキャラクターたちが受け入れられていったと言えます。
③中国の教育事情とアニメの奥深いストーリー性
最後に、特徴③ドキドキハラハラな学園ものがウケる理由を考えていきましょう。
中国の中高生は、大学受験に向けて日本以上に勉強漬けの毎日を送っています。中高生の自由な時間は、日本に比べての圧倒的に少ないのが現状です。
日本アニメの多くは、このようにして受験戦争を勝ち抜いてきた大学生中心にネット配信で楽しまれています。
つまり、勉強以外のドキドキハラハラな学生生活が、登場人物たちの年齢に近い視聴者にとって新鮮であったと言えます。
また、ほとんどの人気学園アニメがライトノベルや小説原作であることにも注目です。事前に作りこまれたストーリーがあったことで、アニメ作品の内容も奥深いものとなっています。
新鮮で作りこまれた奥深いストーリー性が、中国の大学生を中心にヒットしたのです。

©米澤穂信 ・角川書店/神山高校古典部OB会
日本でも今後ブレイクか!? 今、中国アニメがアツい!
日本アニメは、自由な作風と魅力的なキャラクター、奥深いストーリー性で中国において人気を集めています。
一方で、中国アニメは日本でじわじわ人気を集めています。
たとえば、2020年11月には映画「羅小黒戦記(ろしゃおへいせんき)ぼくが選ぶ未来」の日本語吹き替え版が公開されました。中国アニメの魅力のひとつでもある、CGの技術の高さは特に見逃せません。

©Beijing HMCH Anime Co.,Ltd
また、集英社のWeb漫画サイト「少年ジャンプ+」の掲載作品でもある「兄に付ける薬はない!S4」も中国発の作品です。独特のテンポに引き込まれること間違いなしです。
ところどころに出てくる中国要素も新鮮です。
最近では、TOKYO MXやBS11などで「魔道祖師」、「天官賜福」などの作品が配信されています。動画サイトでも配信されているので、見たことのある方も多いのではないでしょうか。

©bilibili
近年、世界的にも評価の高い中国アニメ。今後日本公開になる作品にも大注目です。
気になる方はぜひチェックしてみてください。