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【テレパイベントレポート23】SOMSOC GALLERY中国の無形文化財保持者、竹アート作家・銭利淮の展示『中国竹アートの今 銭利淮 東京個展』に見学!

こんにちは。テレパライターのHeidiです。 今回は中国の国営放送も取材に訪れたという無形文化財アーティスト銭利淮氏の個展をレポートします。 原宿駅を出て、賑やかな竹下通りを抜けたらすぐSOMSOC GALLERYに到着!

青空の下に輝かしい白い芸術の魔法箱のようなこの建物!

この個展のテーマは、「竹」ですね!


「竹」と言えば、中国の文化において「節をまっとうする」高潔の士として見なされています。北宋の詩人蘇軾は、「肉は食べなくてもよいが、竹は無ければ暮らせない」「竹がないと人は俗になる」という句を詠ったこともあります。一方、竹は中国のさまざまな地域で利用される便利な素材でもあり、日常生活で竹を材料として作ったものもたくさん存在します。

展示会は2階に設けられており、階段を上ると壁一面を埋める大きな竹アートが圧倒的な存在感を放っています。

竹細工はもともと日用品などの実用的なものが中心でした。しかし銭利淮氏は竹細工の枠を超え、独自のアーティスティックなアプローチを加えています。伝統技術に現代アートの記号と色彩を注ぎ込むことで、新たな竹編み表現を生み出しています。


例えば、下の真ん中の作品は、抽象絵画画家ピート・モンドリアンの作風からインスピレーションを得た竹アートです。三原色と直線によるシンプルな幾何学的なパターンが見られ、格ごとに異なる竹編みの方法で表しています。

さらに、SOMSOC GALLERYのマネージャーである宮崎壮玄さんは、日中比較の視点から竹アートを鑑賞する際の視点を提供しました。宮崎さんによれば、銭利淮氏の作品には、日本の伝統的な柄や家紋の形に近いパターンが見受けられるとのことです。これらのパターンは、日本人にとっても親しみやすく感じられるものとされています。また、作品において日本の藍染のような一つの色をベースにしているのではなく、多彩な色彩が使われている点に着目しています。


このような独特の質感と立体感、さらに躍動感を持つビッグアートは、ぜひ現場で体感していただきたいです!

展示される作品の数もかなりの量であることから、多様なアート作品を一度に楽しむことができ、職人の技術力と創造力に感嘆せずにはいられません。


現代的なシンボル以外にも、中国の伝統柄が竹アートによって生まれ変わります。下の写真に写っているのは、「闇八仙」と呼ばれる図案で、中国の道教の八人の仙人(日本の七福神に似た存在)が所持する法器が描かれています。この「闇八仙」の図案は、磁器や建物に装飾としてよく用いられ、縁起の良い紋様とされています。八人の仙人が所持する法器が全部で八種類(瓢箪、芭蕉扇、剣、花かご、笛、蓮の花、魚鼓、玉板)あり、展示会でも8枚の竹アート作品が展示されています。


伝統工芸は確かに歴史と文化の宝であり、その重要性を未来に繋げていくためには、現代の視点や感性を取り入れることが欠かせません。展示会は、芸術家や職人たちの創造力と努力によって成り立っていることから、彼らの熱意と技術によって竹細工が新たな時代においても魅力的な芸術として存在し続けることが期待されます。


SOMSOC GALLERYの展示会は、芸術愛好家や文化交流を楽しみたい方々にとって、心躍る素晴らしい場所であり続けることでしょう。今後も素晴らしい展示会を通じて、伝統の魅力と可能性を多くの人々が知り、感動してくれることを願っています!

 

展示名称:『中国竹アートの今 銭利淮 東京個展』

主催:SOMSOC GALLERY

共催:桐鄉市非物質文化遺産保護中心、銭利淮工作室

後援:数字文化貿易聯合実験室

開催期間:7/25(火) – 8/6(日)

開館時間:13:00 – 19:00(月曜休館)

開催場所:SOMSOC GALLERY

住所:東京都渋谷区神宮前3-22-11


▼作家紹介

銭利淮(Qian Lihuai チエン・リーファイ)


非物質文化遺産項目代表性伝承人に認定されている竹アート作家。

1985年、浙江省の烏鎮で竹工芸を営む家庭に生まれる。

中国の伝統的な竹工芸品の伝統を引き継ぎながらも、竹工芸を再構築し、非実用的な作品を作るなど、既存の竹アートの価値を常に問い続けている。


作品『晨星-竹編』が第6回中国工芸美術精品博覧会金賞受賞。

『烏鎮巨匾』が浙江省烏鎮の代表的観光地に指定される。

ブルガリ「セルペンティ」誕生75周年『伝世蛻変』展示コラボレーションアーティスト。

2023年「デザイン上海」『編織デザイン展』学術顧問担当。

『竹編材料袋』が浙江省非物質文化遺産伝統工芸品に登録され、関連グッズがデザインコンテストグランプリにノミネート。

「国匠栄耀中国手工芸創新盛典」においてトップアーティストにノミネート。

『竹編錦盒』が中国著名キュレーター馬未都が創立した観復博物館に所蔵される。

『春夏秋冬』が浙江省非遺博物館に所蔵される。

『蚕匾』『香炉』が桐郷市非遺博物館に所蔵される。


▼SOMSOC GALLERY後援企業

数字文化貿易聯合実験室(天竺実験(北京)数字文化有限公司)は2022年に設立され、オン/オフライン問わず文化交流を促進するプラットフォームを構築し、中国と海外の文化交流・協力プロジェクトを促進することを目的としています。


 

■ライタープロフィール


ニックネーム:Heidi

自己紹介:中国人留学生からHOBBY TEREPAの何でも屋へ。

現代社会の中で見られる伝統的なモノに興味あります。

好きなスタイルは、東洋と西洋の折衷です。






 
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