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【テレパインタビュー90】中国発の大ヒットSF映画『流転の地球2』関連商品開発を手掛けるSFビークル造形物専門メーカー「星環重工 PLANET RING INDUSTRY」に直撃インタビュー!

2019年に中国で話題を呼んだ大ヒットSF映画『流転の地球』の続編、『流転の地球2 』が2023年1月22日に公開されました。この作品は興行収入700億円を超え、中国の映画興収ランキングトップ10入りの快挙を達成! また関連グッズは、クラウドファンディングで多くの出資者を集め、わずか2週間で約1.17億元(約23億円)を超える資金を集めました。これは中国マーケットにおけるIP関連商品のクラウドファンディングによる調達金額の最高記録記録となりました。


さて、この『流転の地球』シリーズの他にも人気ゲーム『アークナイツ』やおなじみの世界ヒットアニメ『エヴァンゲリオン』など、関連商品の開発・製造を担当するメーカーが今回のインタビューのをさせていただくSFビークル造形物専門メーカー「星環重工」です。


■Profile

会社名:深セン市星環造物文化伝播有限会社

ブランド名:星環重工

CEO:董楠翔

ニックネーム:キュリー

会社の所在地:広東省東莞市

twitter:@PlanetRing_Inc

設立年:2019年


(※以下、星環重工の代表取締役・董楠翔氏からお話を伺いました)


───まずはじめに、代表ご自身の紹介をお願いいたします! 学生時代の生活や仕事の経歴についてぜひお聞かせください


「皆さんこんにちは、星環重工の代表、董と申します。周りからは「キュリー」と呼ばれています(笑)。大学時代には、中国伝媒大学のアニメ学科に通っていました。学生時代は3Dモデリングや映画・テレビのポストプロダクション特殊効果の勉強に力を入れていました。卒業後の数年間は、アニメーションとゲーム業界で働いていました」



───模型メーカーを目指そうと思ったきっかけについて教えていただけますか?


「数年間働いた後、深センに引っ越しました。自分でやりたいことをするために、専門スキルである3Dモデリングデザインや趣味のSF、艦船、模型製作を活かしたかったのです。深セン周辺はホビー玩具の製造リソースが豊富な環境で、そこでSFビークル造形物の事業を始めることにしました」



───「星環重工」というブランド名が非常に印象的ですね。その意味をぜひ教えてください!


「星環という名前は、実は僕の家族が考えてくれたもので、彼女は土星の輪が好きでこの言葉を選びました。SF作品関連の造形物開発をメイン事業にしたかったので、「重工」という言葉を加えて「星環重工」になりました。中国のSF小説『三体』の主要キャラクターである程心の「星環グループ」と名前が被ったのは偶然で、当時は全く気づいていませんでしたが、後で考えるとネタとしては悪くないと思いました(笑)」



───御社の事業ビジョンを教えてください! 本格的なSFという非常にニッチなカテゴリーですが、なぜこれを選んだのでしょうか?


「僕らのビジョンはマイノリティかもしれませんが、様々な名作SF作品に登場するクールな造形物、特にビークル乗り物を私たちの手による商品で、より多くの愛好家の皆様に届けたいと考えています。


このカテゴリーを選んだ理由は、なんと言っても僕たちが(このテーマが好きだから)です。また、このようなコンセプトの製品は、現状市場に出回っているものが非常に少ないと感じました。そこで自分たちが作ることにしたのです」



───会社設立のきっかけをお聞かせください!


「弊社が法人設立したのは2019年ですが、実は2018年には、すでに元の会社を辞めて独自でSF造形物商品の開発をはじめていました。正式に会社を設立したきっかけは、当時大ヒットしたSF映画『流転の地球』の商品プロジェクトに参加したからです。この時のクラウドファンディングの結果がとてもよかったです。しかし、まだ業界新入りのため、生産面のコスト管理の経験が浅く、最終的にあんまり儲けは出ませんでした。


『流転の地球』に登場するビークル「HEAVY VEHICLE」

『流転の地球』に登場する地球エンジン「SULAWESI 03 TOROUE ENGINE」


しかしながら、完成した製品は非常に好評で、この事業を続ける自信を持てるようになりました。その後の数年間で、さまざまなジャンルのSF作品の造形商品や、実際の航空宇宙機器の模型を開発・制作してきました。


最近では『流転の地球2』の関連造形商品プロジェクトに取り組んでいます。初回作品から続編まで、気がつけば4年も経ちましたので、確かに感慨深いものがありますね。これからも続けていければと思っています」



───御社の開発チームをご紹介してください! 現在、メンバーは何人いますか? 平均年齢は何歳でしょうか?


「弊社のチームはまだ少人数で、メインメンバーは5名です。他に外注や委託で協力してくれるスタッフも数名います。皆さんの平均年齢はおおよそ30代前半です。ほとんどのメンバーはアニメやゲーム業界出身の方が多いです」



───御社がこれまでにリリースした製品ラインナップを教えてください


「主に手がけた製品は、SF映画『流転の地球』に登場する「地球エンジン」とトラックビークルの「HEAVY VEHICLE」、『流転の地球2』のロボット犬「ベンベン」と人工知能「MOSS」、人気ソーシャルゲーム『アークナイツ』に登場するオペレーター作業車「Lancet-2」、「Castle-3」、そして主人公たちの乗り物「ロドス・アイランド」です。


その他『我的三体(The Three-Body Problem in Minecraft)』に登場する宇宙船「マンティス」、中国航空宇宙局が打ち上げた火星探査車「祝融号」、名作アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する「YAGR-3B」があります」



───SF映画『流転の地球』初回作の時にコラボが実現し、そして非常に印象的な作品を制作されました。この企画はどうやって実現したのでしょうか?


「実は『流転の地球』公開前は、中国のマーケット全般がこのような本格SF映画作品に対してあまり楽観視していませんでした。関連ライセンス商品の開発を申し出る企業もほとんどありませんでした。僕らは当時、作品のSF造形設定がとても素晴らしいと思い、自社がこれから取り組むマーケットを検証する絶好の機会ではないかと判断してコラボ商品企画を実行することにしました」



───続編の『流転の地球2』 のクラウドファンディングもとても好成績でしたね! おめでとうございます! 御社が手掛ける商品について教えてください!


「ご声援誠にありがとうございます! 今回弊社より立ち上げた商品クラウドファンディング企画は、映画の中で大活躍するメインキャラクター(?)である多目的全地形輸送ロボット犬「ベンベン」と人工知能「MOSS」です。


お手頃の価格とサイズで、ファンの皆様にお届けしたいと思います。プラモマニアと愛好家たちそれぞれお楽しみいただけることを考慮し、両方とも組み立て仕様と塗装済完成品仕様の2つの種類でご用意しております」

左:『流転の地球2』 全地形輸送ロボット犬「ベンベン」

右:『流転の地球2』 人工知能「MOSS」



───これらの商品について、日本での販売は検討されるのでしょうか?


「海外向け販売する予定はありますが、現状クラウドファンディング注文分の生産がなかなか追いつかないため、その分の商品が全部出荷できてから検討したいと思います」



───『新世紀エヴァンゲリオン』とのコラボでは、とてもユニークな製品をリリースしたと思います。月面着陸船と軌道衛星は、これまで皆が挑戦しなかった領域だと思います。当初はどのようなお考えでこの企画を立ち上げたのでしょうか?


「僕は小学生の頃から『新世紀エヴァンゲリオン』を見ていました。今でもとても好きで大ファンです。関連ホビーグッズ商品はもちろんたくさん買いました。しかし、今までの商品はほとんどキャラクターとエヴァ機体の造形物で、アニメ中に登場する素晴らしい造形設定のビークルや乗り物がたくさんあるのに、関連商品企画はほとんど見当たりませんでした。その歯がゆさを自分が補いたいと思い、企画を立ち上げたのです」

©khara, inc.


───『アークナイツ』のオペレーター作業車シリーズはとてもキュートですね。続作はまだありますか? また待望の「ロドス・アイランド」の進捗状況はどうでしょうか? ぜひ教えてください


「『アークナイツ』とさらに多くのコラボ商品企画を準備しております、お楽しみに! そしてロドス・アイランドの方は、現在開発に努力していますが、造形とディテールの再現が困難で、予想以上に時間がかかってしまいました。発売時期が遅れてしまい、大変申し訳ないと思っていますが、できるだけファンの皆様にご満足いただけるクオリティで仕上げたいと考えています」

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───これまでリリース作の中、一番良く出来だと考えていらっしゃる作品はなんでしょうか?


「この質問はなかなか答えにくいですね。うちが開発した製品のほとんどは、自分たちが本当に「この作品が好きだから」の理由で作ったものなので、どれもよくできていると思っています」



───会社が成長する中で、苦労をした部分を聞かせてください


「大変だったことと言えば、私たちの会社はアニメとゲーム業界出身の人間が立ち上げたホビー造形スタジオなので、ホビー商品の開発・製造はみんな初めてでした。そして製造プロセスとサプライチェーンに関しては本当にゼロベースから模索してきたのです。開発中に遠回りをしたり「罠」にはまったりしたことはたくさんありました。長くて険しい道のりでしたが、幸いなことに何とかやり抜けてきました。自分が好きな作品を、自分たちの手で製品化して自分たちの手にする時の達成感は何よりです」



───好きな日本のアニメ監督やお気に入りの日本ホビーメーカーについて教えてもらえますか? コラボする機会があればどのような形にしたいかを教えてください


「好きなアニメ監督は庵野秀明先生、今井敏先生、押井守先生、湯浅政明先生などが挙げられますが、全てを挙げるのは難しいです。機会があれば、相性の良い商品企画を開発したいと思います。


好きな日本のホビーメーカーはたくさんありますが、実際に大量にコレクションしているわけではありません。印象に残る製品としては、バンダイのスターウォーズシリーズ、ハセガワのMa.kシリーズ、コトブキヤの機械テーマのものが好きです。特に印象的な製品として、WAVEの「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q AAA ヴンダー」が挙げられます。とても素晴らしい出来ですが、もう少しスケールが大きければ最高だと思います。ただ、コスト面の制限があるので仕方ないと思います」



───グッズ業界の現状についてのお考えか教えてください!


「弊社の立場から言いますと、一般向きではないマニアックなジャンルでも、もっと一般大衆に幅広く受け入れてもらえば、マーケット全体がもっと元気になると思っています。そうなるように精一杯頑張りたいと思います。また今後は、積み重ねた経験を活かしてオリジナル作品にも挑戦してみたいです」



───日本での御社製品販売予定を聞かせてください!


現在『アークナイツ』関連製品シリーズが販売されており、続作も予定されています。『新世紀エヴァンゲリオン』や『流転の地球』シリーズについては、今後ぜひ検討したいと考えています



───長いインタビュー大変お疲れ様でした!最後に日本のモデル愛好家たちに一言お願いします!


「皆様からの愛と支持に感謝します! もっと素晴らしい作品をお届けするために頑張ります。今年も日本での出展ができるかもしれませんので、どうぞよろしくお願いします!」

 

星環重工の他最新商品化情報は、ホビーテレパ情報サイト及びSNSにて告知していきますのでぜひお楽しみに!

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