■Profile
会社名:深圳市星際動漫娯楽伝媒有限公司
会社の所在地:中国広東省深圳市
ブランド名:IATOYS
ホームページ:www.iatoys.com
インスタ:@iatoysglobal
設立年:2018年
──── さっそくですが、ブランド名の由来を教えてください!
「弊社IATOYSは、クリエイティブなアートトイの開発を行うホビー企業です。「Fun to life begin(人生をもっと楽しもう)」を企業理念に掲げ、業界先端の3Dデジタル造形技術を伝統的なアートトイ分野に応用しています。そして、若者向けに創造性と質の高い新しいアートトイグッズを提供することを目指しています。当社の事業は、自社ブランドトイの企画開発と販売運営以外にも、アーティスト・エージェントの事業も行っており、アートトイの企画開発から販売までを一貫して自社運営しております」
──── IATOYSは設立から何年経ちましたか? 発展の歴史についてお聞かせください!
「弊社の前身は、1993年に深圳(シンセン)にある玩具製品工場から始まりました。同年、香港に国際貿易用の会社も設立、そして2009年に会社をグループ化しました。2013年からは日本に事務所を開設しています。当初はOEM/ODM業務が主だったのですが、2018年に新しい法人を設立し、オリジナルアートトイブランド「IATOYS」を立ち上げました。そして、2019年には上海のホビーイベントでIATOYSの最初のオリジナルアートトイシリーズを公開しました」
──── 現在の貴社のクリエイティブチームとそのメンバーをご紹介してください!
「弊社は日本と中国に造形スタジオを設置しており、両国の優秀なデザイナーを集結し、国際連携体制でデザイン制作を行っています。原画デザイナー、3Dモデラー、構造デザイナー、塗装デザイナー、パッケージデザイナーなどがチームに所属しております。
彼らは毎年海外で交流や研修を行っています。また、カナダ、日本、アメリカ、韓国、香港、台湾の多くの個人アーティストと協力関係を築いており、様々な案件を共同企画の形で実施しています」
────貴社の主力ラインアップについて教えてください! それぞれ、どのような発想で作られたのでしょうか?
「弊社のラインアップには、主に以下のようなシリーズがございます:
1: PENPOT(多肉植物)ハグハグコレクション
これは、弊社の主力売れ筋製品である「PENPOTシリーズ」で、鉢植えからインスピレーションを得たデザインアートトイです。小さな植木鉢に見えますが、彼らはPENPOTという魔法の世界からやってきた不思議な生物で、ハグハグが大好きな小さな子どもたちです。そして植木鉢の中の植物はなんでも運べちゃう! という設定です。
本シリーズ第1弾シリーズにはサボテン(多肉植物)を取り上げました。こちらは市場での評判が非常に良かったため、中国IT大手のテンセントからコラボ企画提携の提案も頂けました。
IATOYSテンセントコラボモデル:PENPOT ププファームハグハグコレクション
PENPOTシリーズでは、この子たちがさまざまな野菜や果物に変身し、農園をイメージして表現されています。パッケージも小さな鉢植えのように、環境に配慮したクラフト紙にしていました。
本製品はテンセント公式ショップでのデビューイベントでは3日間で2,000セットという記録的な売り上げを達成しました。
2: キラピカちゃん人形
キラピカちゃん人形ブラインドボックスシリーズ
こちらは、弊社のもうひとつの人気シリーズ商品である「キラピカちゃん人形」です。英語名も「KiraPika」としています。大きな潤んだ瞳とアイコンとなる星のかぶり物で、非常に目を引きやすい造形になっています。
キラピカちゃん人形の特徴は、目の部分が透明度の高いPC材料とカラー塗料でできていることです。お客様が人形を手で持ち上げると、目が追視してくれるような印象を与えます。そして、目の曲面造形の部分は屈折構造になっているため、置く時でも目が大きく明るく見えます。
この製品も発売後すぐにヒットしたため、多くの企業からコラボ企画の申し入れをいただきました。中でも代表的なコラボ企画は、中国では数億人単位のプレイヤーを抱えるモバイルゲーム『陰陽師(日本リリース名:『陰陽師本格幻想RPG』)』とのコラボシリーズです。
キラピカちゃん人形×陰陽師コラボシリーズ
このシリーズは発売されるとすぐにファンの驚異的な反響を呼んで販売状況はとても好調でした。そして製造が追いつかなくなり、長い間在庫切れ状態までなっていました。総売り上げは約2400万人民元(約46億円)を達成しました。弊社としては誇らしい実績です。
また、以下シリーズも弊社の人気商品です。
3:ネココレクション 冷蔵庫用マグネット
本シリーズは、IATOYSにあるネコ愛好家デザイナーによる、かわいいネコたちに対する思いっきりの愛情を込めて作られたオリジナル造形商品です。 頭部背面にマグネットを付ければ、コップや冷蔵庫表面など磁石がつけられるお好みの場所に飾ることができます。
4: THINKING?
THINKING?ブラインドボックスシリーズ
本シリーズは、弊社所属する開発デザイナーが友人から「日々の仕事で頭を悩ませストレスが爆発しそうだ」と聞き「頭が爆発」からアイデアが誕生! 奇抜なトレンドデザイン要素を組み合わせて「THINKING?」という超個性的なキャラクターが生まれました。
5:ディープシー・ヴィーナ
ディープシー・ヴィーナシリーズ
などなどですね」
──── 市場で一番評価されているシリーズはなんでしょうか?
「やはりキラピカちゃん人形やPENPOTが市場から一番高い評価を受けております」
──── 貴社の発展において、大変だと思うこと、または嬉しいと思うことをお聞かせください!
「一番大変なのは商品開発の段階だと思います。私たちは元々フィギュアのOEM/ODM会社ですから、出来上がるものの品質にこだわりがあって、ブラインドボックスの低価格商品でも、フィギュアと同じようなクオリティで作りたいと考えています。。もちろん予算をオーバーしてしまうケースが多いので、商品化を実現させるのはとても難しいです。なにせブラインドボックスはあまり高い値段では売れませんからね。
それでも造形をなんとかこだわりたいと思っておりますから、開発プロジェクトを進める間、デザインチームと生産チームがコミュニケーションを取りながら、微調整変更を加えていきます。とても小さなデザインでも、製造に採用されるまでに何十回も修正することがあります。
嬉しいことは、お客様からのコメントを聞けることでしょうか。中国のホビー業界では、IATOYSは「ブラインドボックスの値段でフィギュア同等のクオリティー」と言われています。そのような言葉をいただけたときは最高に幸せな気持ちになれますね。苦労した甲斐があったなぁと実感できます」
キラピカちゃん人形×陰陽師コラボシリーズ
──── 現在、貴社の製品はどの国で販売されていますか? 具体的に各国で売れている商品は? この差別化の理由は何だと思いますか?
「現在、弊社の製品は、カナダ、アメリカ、中国、および東南アジアの国々で販売されています。
カナダやアメリカではPENPOTが一番人気ですが、その理由は正直よくわかりません(笑)。
PENPOTは明確な性別の属性を持たず、植物を表現しているから、万人向けのスタイルのおかげではないかと考えています。
キラピカちゃん人形が中国でよく売れているのは『陰陽師』の膨大なプレーヤー数のおかげだと思います。
国も文化も違いますし、人もそれぞれだから、海外で当社製品の人気理由を判断するのはなかなか難しいですね(笑)。もちろん流通ネットワークや製品プロモーションなどの原因に左右される部分もあると思います。IATOYSは今後も積極的に流通ネットワークを広げているので、より多くの地域に商品を届けたい考えています」
──── オリジナルブラインドボックス企画をデザインする時に、インスピレーションを集めたり、
市場調査をしたりするために、どのように準備していますか? ぜひ聞かせてください!
「新規ブラインドボックス企画をスタートする前に多くの下準備を行います。最近の人気話題ネタを集めたり、トレンドのマンガ、ドラマ、映画作品や人気ゲームを触ったりしてインスピレーションを収集します。
その次に、インスピレーションをまとめてマーケティング部門と情報共有して市場での実現可能性を分析します。また近年ブラインドボックスの注目商品の売上情報を参考して市場ニーズなどを予測判断します。
以上準備ができた段階で、開発関係者全員がブレインストーミングの形で様々なクリエイティブ発想をアウトプットしていきます。そこで大事なのは、生産部門の担当者も取り込んで、その段階で実現可能性を分析することです。優れたアイデアでも、実際に生産の可能性な低いものですと意味がないです。生産できることを前提に、良いアイデアを絞り出すことが重要です。
これらのプロセスを経てから、本格的な商品開発プロジェクトに入ります」
──── 貴社のクリエイティブチームが好きな日本のアニメとマンガ作品と、 お好きな日本の玩具ブランドと製品シリーズを教えてください!
「それはもちろん、日本の世界的に有名なマンガやアニメ作品、『ポケットモンスター』『ドラえもん』『ワンピース』そして『ドラゴンボール』などです。今後の機会があれば、ぜひコラボ商品もやらせて頂きたいと思っています。
玩具業界ではバンダイのガンプラシリーズ、海洋堂の山口式可動アクションフィギュアシリーズ、そしてグッスマのねんどろいどシリーズがとても好きです」
──── 業界の現状について、貴社はどうお考えですか? 変えたいことや、これから取り組みたいことがあれば教えてください!
「中国のアートトイ及び造形業界全般は、すでに黎明期から成長期へと移行しつつあります。急速な発展期を経てきて、現在はマーケット全般的に安定しているが、まだまだ長い発展のステップが残されています。
ある産業が黎明期から成長期までの過程において多くのブランドそしてメーカーが誕生します、中国のアートトイ、そして造形業界も例外ではありません。
最初、2017~2018年頃ではわずか2年で何千ものベンチャー企業が業界に誕生しました。しかし、一気に大量な参入者が現れると市場が狭くなります。そしてコロナが蔓延する中では工場のスケジュール納期も非常に管理しにくく、多くのメーカーが資金的な圧迫から倒産してしまいました。
競合他社が増えると、市場は価格だけでなくより高品質な製品を求めるようになると弊社は考えています。この「高品質」は製造面の優位性だけではなく、企画アイデア、生産プロセス、そしてマーケット全般におけるクリエイティブ性の先端性に反映されると思います。ますます競争が激しくなる市場に、自社が市場で確実な地位を維持するためには、あらゆる面で「高品質」の製品を継続的に生産しなければならないと思います。
弊社は今後、2つのメイン戦略方針を考えています。ひとつは競争力が高いオリジナルアートトイを作り続けることです。もうひとつは、世界中に知名度が高い優れたIP作品とコラボを企画を積極的に展開していくことです。実は、弊社は現在、すでに世界的な人気IP作品とのコラボ企画を二つ開発まで進めています。2023年内では皆さんにお見せすることができると思います。ぜひお楽しみください!」
──── 長いインタビューありがとうございます! 最後は日本のファンに一言お願いします!
「ここまでお読み下さりまして、ありがとうございました! 日本の皆様、これからもどうぞ宜しくお願い致します! そして皆様、大人になっても、常に童心を忘れないようにしてください!」
IATOYSの最新商品情報は、ホビーテレパ情報サイト及びSNSにて告知していきますのでぜひお楽しみに!
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