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【テレパイベントレポート14】「WHAT CAFE EXHIBITION vol.25」SOMSOC Gallery所属・apapico、静電場朔、査克林、辻修平、RASUKUの作品をピックアップ!

今回、筆者が訪れたのは東品川に位置する「WHAT CAFE」2023 年 3 月 11 日(土)~ 4 月 2 日(日)にて開催されている「WHAT CAFE EXHIBITION vol.25」。


こちらの展示会は「アートがある生活」を提案する『CCCアートラボ』、国内外を問わず活動するアートマネジメント会社『TC Lab』、原宿に拠点を構える新進気鋭のアートギャラリー『SOMSOC Gallery』の3軒が企画したコラボレーション展です。


写真提供:『SOMSOC Gallery』


ギャラリーではカフェスペースも広く設けられていて、ゆっくりくつろぎながら談話しながら作品を見ている方たちの様子も。


参加アーティストは国内外で活躍する若手アーティスト37名!中でも今回は、『SOMSOC Gallery』に所属しているアーティスト5名(apapicoさん、静電場朔さん、查克林さん、辻修平さん、RASUKUさん)の作品を代表の東山研さんと共にご紹介していきます。



■東山研プロフィール

プロデューサー、ディレクター、イラストレーター、デザイナー

東京原宿SOMSOC Gallery代表

クリエイティブレーベル大宇宙醸(XL-Universe)代表

『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』美術デザイン、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』SFX制作、『義風堂々!! 兼続と慶次』背景美術副監督、「ディーンフジオカ 2019年アジア公演」メインビジュアルデザイン、「Bilibili BML SP 2022 日本ライブ」メインビジュアルアートディレクション、「バンダイナムコパックマン40周年特別企画」音楽、MV、メインビジュアル、商品総合ディレクター等、数多くの作品でご活躍されています。


 

東山研さん(以下、東山):『SOMSOC Gallery』代表の東山研と申します。東アジア的な共通の(アートの)文化を大事にしているアーティストの集団を作ることが私たちのコンセプトになっています。


インタビュアー・笹本(以下、笹本):今回、この展示会を開いてみていかがですか?


東山:今回、「WHAT CAFE EXHIBITION vol.25」が開催されている天王洲エリア、寺田倉庫での展示会が初めてですごく楽しみにしていました。本インタビューでは、参加アーティストについてお話していたらと思います。



東山:まず、1人目にapapicoさんを紹介します。彼は以前、村上隆氏の「カイカイキキ」に所属し、アート技術を研鑽しました。現在はイラストレーターとアーティストの両方から、自身の創作の可能性について挑み続けています。


笹本:イラストレーターとアーティストの違いはなんでしょうか?


東山:イラストレーターとアーティストの一番違うところは、イラストレーターは映画のポスターや雑誌の挿絵など商業的な目的でイラストを制作している人を指します。必要だから描くという職業のイメージが強いです。


笹本:なるほど…ある程度のデザインの指示があったり完全オリジナルではないからアーティストとはまた違うんですね。


東山:そうです。一方、アーティストというのはイラストレーターと重なっている部分もありますが、自分が表現したいことを表現する人を指します。社会的に意味があるものを創るというところがイラストレーターとの根本的な違いかなと。この話を踏まえてですが…apapicoさんのオリジナルキャラクターたちは、性別に囚われないことを意識して描かれています。彼自身、女性への憧れを持っていて今回のキャラは理想の自分をイメージしています。


笹本:そうだったんですね。この作品とかとてもびっくりしました。線と点で描かれていますよね?



東山:これは絵の具で描いている作品ですね。


笹本:アナログなんですか!?


東山:絵の具を使ってデジタルでしかできない表現をアナログで表現することは、彼が今挑戦している課題でもあります。


■プロフィール

幼少期より絵を描くことが好きで、自然とアニメや漫画、ゲームの影響を受けたイラストを描き始めました。イラストやデザインの仕事をしつつ、常に新しい表現を模索しています。











 

東山:続いては『SOMSOC Gallery』を立ち上げる前のクリエイティブレーベル『大宇宙醸(XL-Universe)』時代から所属しているアーティスト・静電場朔(Dian)ちゃんです。



東山:Dianちゃんは表現の手段をイラストに限定せず、アニメーションや3D、立体、音楽などの幅広い分野で自身の表現したいものを創り出しています。その研ぎ澄まされてきた感性は、幼い頃にさまざまな国の文化に触れ育ってきたことが関係しています。



笹本:こちらのフィギュアの作品はビジュアルからも言葉の通り猫を頭にかぶっているキャラクターで、タイトルも「Girl in Cat(猫を被る)」ですが、ことわざの「猫を被る」と関係があるのでしょうか?


東山:あります。展示されているキャラクターは、2015年から描き続けている「Miss.Unhappy(ミスアンハッピー)」とフィギュアにもなっている「Girl in cat(猫を被る)」の2つ。こちらのキャラたちは、“自分の感情をあまり表に出さない(人とのコミュニケーションにおいて空気を読む)”という現代社会(特にアジア圏)で感じる息詰まる感覚を取り払いたいという共通のテーマが掲げられています。


笹本:たしかに、「Miss.Unhappy」の作品を見てみると不機嫌そうな顔だったり、笑ってはいるけれど目の中にある表情が笑っていなかったりなど、現代社会の風刺のようにも感じられますね。


東山:また、こちらのキャラは皆が一度は抱えたことのある“不満”を具現化しているキャラ(創作主とはまた別の人格)でもあるため、不満を抱えた人の“友達”にもなってほしい、人に寄り添ってほしいという願いが込められているのも特徴です。



■プロフィール

中国伝媒大学アニメーション学科卒業、東京在住。

幼少期にアメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカなどに滞在。当時の体験は現在の創作のルーツとなり、作家の作品は一貫して現代人の内部を探求するものとなっている。人間の内心を「内宇宙」と定義し、内宇宙のミクロな信号をマクロな宇宙へと拡大する。それを絵画、彫刻、映像などの様々な手法を組み合わせて出力し、内面的な情緒と、情報社会における大量の外部刺激との関連性を表現し続けている。






 

東山:3人目は查克林(Chakurin.Go)さんですね。彼女はとても面白くて、見てください。この和牛の海、海老の天ぷらの雲、寿司の雪が描かれているシリーズ。



笹本:私も最初に絵を拝見した際に、海老天の雲!?とインパクトがかなりあったアーティストさんでした…!


東山:查克林さんは、出身地・中国の(王朝 960~1279年)の時代の美術(美人画)に影響を受けている部分が大きく、美人画をベースとし、そこに現代の流行り(アニメ的な絵柄)を取り入れ新しい作風を生み出しました。


笹本:たしかに、黒髪美人って印象も受けました。この凜とした表情の元は美人画だったんですね。さっきちらっとお話しされていましたが、展示されているシリーズは“食”をテーマにしているように思います。


東山:そうですね。こちらのシリーズは、食べることによって人間が成長していく事柄にスポットを当てていて、“日本の食べ物”をモチーフに作品を制作されています。



■プロフィール

中国出身、東京在住。 2015年中央美術学院(中国)視覚伝達学科修了。 2021年東京藝術大学グローバルアートプラクティス修士課程修了。 日常生活に対する観察というアプローチで、インスタレーションとイラストを中心に創作活動を行なっている。主に、視覚的にユニークな画面とシュールレアリズムを下地にし、流行文化のエッセンスを加えた都市生活の情景を描いた作品を創作している。






 

東山:4人目は辻修平さんです。彼はとにかく自分の中にある“かわいい”という感情を作品で表現しています。



東山:このずっと描き続けているキャラクター「吐血ベイビー」は、可愛い中に毒々しい要素が入っていて印象に残ります。祖母の自宅をギャラリーにした際に、ひとりでギャラリーを作る作業など…度重なる疲労で吐血しそうになった経験からこのキャラが誕生したそうです。



笹本:吐血ベイビー!吐血と赤ちゃんのミスマッチがいいですね。作品名も「死なねばならない人間は生きねばならない」「吐血しすぎて輸血ベイビー」など、ちょっと自虐的でユニークです。吐血ベイビーを描く前はどのようなものを描いていたのでしょうか?


東山:そうですね。彼も自分の中に女子高校生が住んでいるような感じがするんですが、前は女の子の顔をモチーフにしたピンクが目立つ絵を描いていましたね。絵からパンチが飛んできそうなインパクトを作品を見た人に与えたいという願いも込められています。



■プロフィール

東京都足立区において、あさくら画廊という「ピンク」と「かわいい」と「毒」をコンセプトにした、美術館兼、アトリエ兼、住居にいながら日々作品を造り続けるピンクに囚われた絵描き。

1977年東京生まれ。2000年4月から母方祖母の豆腐店跡地にて仙石画廊を始める。2012年8月から父方祖母の自宅にてあさくら画廊を始める。






 

東山:最後に紹介するのは、apapicoさん、辻修平さんと同じく日本出身のアーティスト・RASUKUさんです。



東山:RASUKUさんは2020年に活動を開始した若手アーティスト。幼い頃から“香り”に敏感だったようで、作品テーマにプルースト効果*を用いているところが面白く新鮮、特徴的です。


*プルースト効果=ある特定の香りが、記憶や感情を呼び起こす現象


笹本:香りからインスパイアを受けるだなんて、なんだか素敵です。肌露出も多い方なのにセクシーな感じがあまり出ていないところも魅力的だなぁと感じました。


東山:顔のパーツは赤らんだ頬とまつ毛のみと抽象的ではありつつもRASUKUさんの個性が落とし込まれています。肌露出は確かに多いけれど、上品さが強い作風です。この“顔があまり見えない”という作風もあえてしていまして…作品を見た人の想像力を掻き立て、見る人によっては(また見る日が違えば)解釈も全く異なるようになっています。西洋絵画で感じるリアルさというよりはアジアで感じる抽象さが出ているアーティストです。


笹本:抽象的と言われるまであまり意識していませんでしたが、具体的か抽象的かで受ける印象がガラッと変わることをこの作品と東山さんのお話を聞いて再確認しました。作品の写真を撮影してる際に気が付いたのですが作品の縁には「i'm sick of eating there cookies.(私はクッキーを食べるのにうんざりしている)」「seme but different.What's your name?(似ているけど違う。あなたの名前は?)」という文字も。


■プロフィール

鹿児島県出身、岡山県在住。 『香りの記憶』をテーマに香りから蘇る過去の感情を色彩と仕草で表現している。












 

笹本:長らくのインタビュー、大変お疲れ様でした。


東山:お疲れ様でした。


笹本:最後に、東山さんにご来場されるお客様に向けてメッセージをお願いします!


東山:メッセージ、悩みますね…。自分たちのカルチャーに誇りを持って、世界にも通じるような表現で自分たちの価値観を表現していきます。これからも今あるカルチャーをベースに、私たちの共通の東アジアの新しいカルチャーが以前の価値観を超えられるように確立し発信してまいりますので、アーティストたちの作品をぜひ見にお越しください。


 

■展示概要

出展アーティスト(敬称略・五十音順):

CCCアートラボ:

加藤崇亮、久保勝大、Kenta SENEKT、SUGI、田口愛子、谷口洸

SOMSOC Gallery:

apapico、静電場朔(Dian)、查克林(Chakurin.Go)、辻修平、RASUKU

TC Lab:

AOI SHIMIZU、AKIRA、IKU→、Ivan Kwong、Van Lanigh、小野池草介、Kai Nobuyuki、kirari、Geckor、ゴトウダイ、Siukins、SHISHUMANIA、杉本憲一、月乃カエル、Toshiki Asaga、ナカバヤシアリサ、ナカムラトヲル、neuronoa、Maddalena Fanfani、MANABU KISHIMOTO、MANAMI、Maria Maaneskiold、MARINO.、Pau Serramia、巴米乃、Yana Medow

企画協力:CCCアートラボ、TC Lab、SOMSOC Gallery

住所:東京都品川区東品川2-1-11

展示期間:2023 年 3 月 11 日(土)~ 4 月 2 日(日)

営業時間:11:00 ~ 18:00(最終日は17:00閉館) 入場料:無料

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:sasamoto chihiro

出身地:日本・東京都

ツイッター:@tiam_00

自己紹介:2021年に日本大学芸術学部文芸学科を卒業後フリーでライターをしております。


アニメ文化とアンティーク雑貨と絵を見ることが好きで、物語だと西洋ファンタジーやバトル系、耽美さを含んでいるものが好き。おすすめされたらオールジャンルなんでも見ます。現在は「アニメイトタイムズ」「クウネル・サロン(マガジンハウス社)」などで活動中。



 

ホビーテレパ運営会社の株式会社ジニヤズでは、若手クリエーターたちの作品や発想、活動をインタビューを通して世界中の多くの人々に伝えることを応援しております。


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