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【テレパ実物レビュー㊻】JOYTOYの最高傑作では? 超重量級ロボットトイ「暴君」の実力を見よ


いつものJOYTOYでしょ……と思いきや、これがちょっと違うんです


 相変わらずハイペースでフィギュアやロボットトイをリリースしまくっているJOYTOY。今回ご紹介するのはその中でも屈指の大ボリュームを誇る、「悽愴たる遠征軍『暴君』」です。君、名前が「暴君」なのか。ちょっとキラキラネームすぎんか。箱には「Tyrant Mecha 01」と書いてあるので、要は「タイラント」というペットネームなんですね、多分。


 結論から書いちゃうと、この「暴君」は自分が今まで触ってきたJOYTOYのアイテムの中で一番オススメです。今まで「やりたいことはわかるけど、もうちょい基礎的な部分からちゃんとしてほしいんだよな~」と思っていた部分がけっこう改善されており、パーフェクトではないものの大型のオモチャとしてかなり満足感がある。それは一体どういうことなのか、という点を順次説明していこうと思います。


もう箱の時点で大迫力


 まず箱がむちゃくちゃデカい。そして重い。JOYTOYのロボットトイには1/24と1/18のふたつのスケールがありますが、今回は1/18の方。同梱されているパイロットのフィギュアの大きさが大体10㎝ほどになるスケールです。それが乗れるロボットのオモチャなので、ある程度以上のサイズと重量になるのは当たり前ではありますが、しかし今回は箱の高さがおよそ36㎝。ちょっとした家電の箱くらいのサイズ感です。


高級感、漂っとるやん……!


 開けてみると、梱包材がなんかちょっといつもと違う。ウレタンの板を重ねた、最近のちょっといい家電とかで見るタイプのやつです。高級感がある~。


中身は割とシンプル


 ということで、中身を全部出してみるとこの感じ。「暴君」は本体が大きいからか、付属品に関しては割とシンプル。武器3つと小型のミサイルポッドなどと、パイロットのフィギュアと武器という構成です。しかしこのロボット本体が重い! 計測してみたら1544gありました。およそ1.5キロ超えって、なんでそんなことに……。


なんと、腕も脚もメタルなのだ。重いはずだよ


 一皮剥いてみるとわかるんですが、実はこの「暴君」は内部フレームのかなりの部分がダイキャスト製。手足のほとんどが金属でできています。なるほど、そりゃ重いわけだわ。


 この金属製フレームがこれまでの製品と比べると相当よくできており、特に関節の出来に関しては雲泥の差。ヌルッと滑らかな動かし心地ながら、止まってほしいところでピタッと止まり、かなりの重量にも関わらず自重でヘタることもありません。今まではけっこう豪快なクリック関節がメインだったために動かし心地もバキバキしていましたが、それとは全く異なる滑らかさです。どうなってんのこれ。やればできるじゃん! JOYTOYのロボットトイは、ある程度共通したフレームに大きくデザインの異なる外装を取り付ける構造ですが、今後は全部このフレームを使ってほしいくらいです。


両肩にミサイルつけたらもうできあがり。早い!

後ろから見たシルエットもシンプルながら、メカっぽくてカッコいい

脇腹に収まっている銃のマガジンは引き抜くことができます


 というわけで、付属しているミサイルポッドなどを取り付ければ完成。今回は組み立て工程がほぼないので楽ですね。マットな塗装や各部のウェザリングはいつも通りといえばいつも通りなんですが、しかし毎回綺麗にグラデーションがついた塗装に仕上がっていて、そのあたりは毎度唸らされます。脇腹のラックからライフルのマガジンが取り出せるあたりも芸が細かい


ライフルの両手持ちも余裕!

剣を持っても肩が入っているのがわかりますね

付属の武器を組み合わせて、めちゃくちゃ長い薙刀にすることもできる

肩は前方にぐいっと引き出せるのです


 そしてこのフレーム、関節の作りだけではなく可動範囲もすこぶる良好です。肩はぐっと前に引き出せるようになっており、ライフルを両手で構えるようなポーズも自然に取ることが可能。肩の引き出しギミックは前からありましたが、「暴君」は関節を動かしていてもストレスがないので、ポージング自体を楽しむ余裕がある。これは明確に進歩です。指が可動するのでそれぞれの武器をグリップする動作も自然にキマるんですが、ただ保持力は指の関節頼みなので、けっこうすぐ武器が落っこちる。このあたりはもうちょいなんとかならんかな……というポイントですね。


パイロット氏。左腕だけなんかロボットっぽい

腰の後ろに救急用品のポーチがついているのもイカす

ライフルも余裕で構えられるぞ


 付属のフィギュアはいつものJOYTOYという感じ。今回は左腕が義手ということらしく、なんだか片腕だけゴツいです。マフラーがなびいていることもあり、なんだか特撮ヒーローっぽい雰囲気。このサイズのフィギュアでライフルの肩付け照準ポーズも難なくこなせるの、昔はすごいことだったんですが最近はもう慣れちゃいましたね……。


当然ながらロボットにも乗れます

色が似てるんで見にくいですが、後ろ側のハッチの裏面に銃がくっついてるのがわかるでしょうか


 もちろんコクピットへの搭乗ギミックも健在。胴体上面~前面がバコンと大きく開くので、そこにパイロットを乗せることができます。ちょっと面白いのが、コクピット背面のパネルに付属するフィギュア用の銃を固定できるところ。この銃だけデザインのテイストがちがって妙に四角くて変だなと思ってたんですが、これって米軍の戦闘機なんかがイジェクションシートに積んでるようなASDW(Aircrew Self Defense weapon:搭乗員用自衛火器)だったんですね。納得。細かいところですがこだわりを感じるポイントです。


 ということで「暴君」でした。とにかく、これまでのJOYTOY製品のつらいところだった「関節がバッキバキで動かしづらい」「装備品がたくさんついてくるけど、組み立て用ジョイントの作りがタイトすぎて取り付けるのがダルい」みたいなポイントが大幅に改善されており、これは大いに歓迎したいところ。特にヌルッと動いてピタッと止まる関節の作りはフィギュア自体の重量を考えるとなかなか驚異的で、JOYTOYとしてもなかなか会心の作なんじゃないかなと思います。


 中国の最近のオモチャは製品ひとつごとに「あ、ここが良くなってる!」というポイントが見つけやすく、メーカーの進歩を感じやすいのも面白いところ。そういう意味でも、「暴君」はJOYTOYの進化を感じられるアイテムでした。実際中国でもけっこう評判がいいとのことですが、それも納得。内容を考えるとかなり安いアイテムだと思うので、「デカいオモチャで遊びたいな~!」という人には激しくオススメです!

 
 

■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています

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