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執筆者の写真しげる

【テレパ実物レビュー㉞】サイバーパンク×ポストアポカリプス! 要素ドカ盛りな「サンレジャのならず者」を遊び尽くせ!


なんかこう……この人たち……何!?


 オタクもオタクじゃない人も、みんな好きなものといえばカレーとラーメン、そしてサイバーパンクとポストアポカリプスですよね! このふたつのジャンルのエッセンスを盛り込んだ欲張りなアクションフィギュアが、実はもうすでにこの世に存在しているのです。


箱には見るからにヤバそうな人たちが。左から「戦斧のニール」「鉄腕のマッドジャック」「爆発のアイリー」です


 JOYTOYが発売している戦星辰シリーズの「サンレジャのならず者」がそれ。今回ご紹介するのはこの「ならず者」シリーズのうち「戦斧のニール」「鉄腕のマッドジャック」「爆発のアイリー」の3体です。名前がもうすでにゴツいんよ……。


こちらが「戦斧のニール」の箱の中身一式なんだけど……付属してるのは斧っていうか槍っぽいですね、これは

「鉄腕のマッドジャック」の箱の中身。トミーガンがついてます


3人の中では一番フォートナイトっぽい「爆発のアイリー」。付属品はキュートかつ毒気の効いた雰囲気


 ということで開封。3人の服装を見てもらうと一目瞭然なんですが、まず全員ヘソ出しが標準装備。「ヘソは隠さない! なぜならならず者だから!」という、強い意志を感じますね。そして全員服装がガチャガチャしている。モヒカンややたらとベルトとバックルがたくさんついたズボン、ニールくんに至っては全身にオオカミの毛皮をまとっており、ヤンチャ極まりないですね。お前ら全員退学だ!


武器の見た目が物騒すぎる


 ならず者度数が高いのは武器も一緒。髑髏のマークがついたトミーガンや斧がくくりつけられたライフル、そして傷口がエグいことになりそうなハンドメイドっぽい刃物と、ここでも正規軍感ゼロ。武器を自分で改造するDIY精神といい、やたらと攻撃的で金属部品の多いファッションといい、ならず者の根底にはパンク精神が流れているのかもしれません。


毛でモサモサしてるのかと思いきや、装甲がベルトにボルトどめされている。黄色のボルトからサイバーパンクみがちょっとだけ出ております

オオカミの頭型のフードは取り外し可能。オオカミの顎がヘッド側にくっついてるのがオシャレ

よく見れば右手がサイボーグ! ただの世紀末的ヒャッハーファッションじゃない!

右足もサイバネ義肢。なんか体の右側にものすごい怪我でもしたんですかね

「爆発のアイリー」の武器のひとつが爆弾を抱えたぬいぐるみ。う〜ん、ナイス悪趣味!

サブマシンガンと刀の鍔の色が揃っててイカす


 なんか半裸みたいな格好だし、パッと見の印象としては『マッドマックス』的ヒャッハー感強めなフィギュアに見えますが、よ~く見ると随所にサイバーパンク成分も。各部に散らされたビビッドな差し色もそのひとつですが、他にもマッドジャックくんの右手に移植されたサイバネ義肢やアイリーちゃんのマスクのデザイン、全員が履いている靴の形状などにはけっこうサイバーパンク的味付けが見られます。『北斗の拳』と『サイバーパンク2077』の悪魔合体ですね。そのふたつってくっつけられるんだ……。



ニールくんはこれまた凶悪なデザインのデカい盾がついてます

銃を持たせても自然に馴染むのは嬉しい

膝立ちも余裕で決まります

腰回りがグネグネ動くので、動かしてて楽しい

ライフルの肩付け照準ポーズも余裕です

刀も両手持ちが可能。やったぜ


 動かしてみるといつものJOYTOY製フィギュアの感じ。全身に隈なく関節が設けられており、鉄砲を構えたり得物を振り回したりとビシバシポーズが決まります。3人とも刃物系の武器が付いていて、ポージングにも幅が出るのでいじってて楽しい。また、胴体周りに装備品がない(なんせヘソ出しなので)ので、腰をスイングできる範囲がかなり広いのも特徴です。各関節の渋みも安定感があり、安心してさわっていられるのはありがたい。


 この3人、フィギュアとしての構造には特に真新しい部分はありません。関節の作りも普通ですが、やっぱり目新しいのはそのコンセプトとデザインでしょう。というのも、「サイバーパンク北斗の拳」みたいなコンセプトのオリジナルフィギュアって、これの他には自分は知りません。全盛期のG.I.ジョーあたりだとかなり奔放なデザインもあるので、ひょっとしたらこういうコンセプトのアイテムも存在していたのかもしれませんが、少なくともモダンなフィギュアとしては割と珍しい雰囲気の商品だと思います。


 そしてこういう個性の塊みたいなデザインって、ディテールは増えるしその分塗装する箇所も増えるしで、素人目にも「作るの大変なんだろうなあ」と思うもの。JOYTOYがすごいのは、パーツの精度に関しても塗装に関しても、一定水準以上のクオリティでこの複雑なフィギュアを量産していることではないでしょうか。使用されている色数も多いですが、ディテールの塗装に関しても破綻しておらず、きっちり着地しています。ちょっとしくじれば破綻しそうなわんぱくなアイデアをしっかり仕上げることができているあたり、JOYTOYの地力の高さを感じます。


ちょっと変わったフィギュアで遊びたい人はお見逃しなく!

 現代的な樹脂製アクションフィギュアの基礎のひとつである、3.75インチフィギュア。そのため、すでにこのサイズのフィギュアでやれることは、あらかたやられてしまっているのでは……という気持ちにもなります。が、コミックやゲームから引用した要素にアレンジを加えることで、まだまだけっこう新鮮なオリジナルフィギュアは作ることができる。そんなことに気づかせてくれた逸品でありました。長くフィギュアで遊んでいる人も、もちろんこのフィギュアの見た目にビビッと来た人も、どちらにもオススメなのです。

 

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■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています

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