【テレパ実物レビュー㉔】オレが考えた最強美少女プラモ! 「ハリケーン・アサルト・リベンジャー:プロトタイプ・イェーガー」の大ボリュームでキミも満腹!


中国でも美少女プラモはめちゃくちゃ発売されているのだ


 2015年のフレームアームズ・ガール第一弾「轟雷」の発売以降、一大ジャンルとなった美少女プラモデル。このムーブメントは海の向こうの中国にまで伝わっており、現在では新興メーカーが「オレが考えた最強の美少女プラモ」をボコボコ発売しまくる状況に。そんなメーカーのひとつである「核能矩陣 NUKE MATRIX」が発売する、「ハリケーン・アサルト・リベンジャー:プロトタイプ・イェーガー」(長い!)も、気合ガン乗せ系美少女プラモです。

 なぜか中国のプラモデルは、割とどのジャンルでも「とにかく部品の分割が細かく、強烈に緻密かつデラックスなヘビー級キット」を目指しがちな傾向があります。俺たちは他の誰にもできないような超ヤバい工芸品的な方向を目指すぜ、という気合の表れだとは思うんですが、美少女プラモに関してもそういうバイブスは割と共通。「ほどほどのところで手打ちにして、すぐ組めて遊べる軽めのネタにしましょうや」という発想とはまったく逆な、箱からしてすでに超デカい美少女プラモがモリモリと発売されています。

ムチャクチャ箱がデカい

中は部品でギチギチ


 このプロトタイプ・イェーガーも、箱のサイズがまずデカい。横幅およそ40㎝、縦幅およそ28㎝、厚みが18㎝という、ガンプラで言えば大きめのMGくらいのボリュームの箱に部品がパンパンに詰まっています。そして中身は美少女プラモにも関わらず、ボックスアートでは女の子の顔が全然見えていないという攻めた姿勢。まあ、箱の側面では「中身は女の子だよ!」という点は説明されてるからいいのか……。

とんでもない量のランナーだ……

プリント済みのフェイスパーツが3つ付属してます


デカールとプリントされていないフェイスパーツを使って、自分で顔を作ることも可能。すごい表情も混じっているな……

クリアパーツも山盛り

メカっぽい部分のモールドもかっちりしてて、日本製キットと変わらないレベル

「好みで使ってくれよな!」という赤いクリアパーツも同梱

エフェクトパーツのランナーも入ってます


 というわけで中を開けると、ランナー(プラモデルの部品がくっついている枠)の枚数はおよそ30枚! お、多い……。それに加えて、プリント済みの顔面パーツや髪の毛の部品なども入っております。さらに、このキットにはクリアオレンジのパーツが入っているのですが、「好みによってはこっちで組んでね」ということで全く同じパーツをクリアレッドで成形したランナーまで入っております。サービスで始めたご飯の大盛りがどんどん巨大化した、人の良すぎる定食屋を思わせるボリューム感。これ組み立てられるのかな……。

こういうガーターベルトみたいなパーツがいちいち全部別になっている

けっこう面構成が複雑な部分も、部品を組み合わせるだけでバチバチに色分けされていくのだ

お腹の部分は素肌とガンメタルのボディスーツの選択式なので、性癖に合わせてパーツを選ぼう!

こういう感じでガンメタルのパーツを挟むと……

パーツが完成したときには色分けされている、というトンチもある


 とにかく色分けのある部分が全部別パーツになっており、それゆえにパーツは多いですが、組み立て自体にはそれほどつまづきそうなところはありません。スナップフィットなので接着剤不要のキットなんですが、こういったキットでたまにある「これ、スナップフィットにしたせいで逆に組みにくくなっとるやないかい!」みたいな違和感もほぼなし。説明書の指示通り淡々とやっていくと確実に形になります。ただ、ランナーの枚数が多いので、それぞれのランナーの名前を目立たせるタグはあった方が便利。あと、とにかくアンダーゲート(ランナーと部品をつなぐゲートという部分が、部品の側面ではなく下側にある状態。部品の切り出しが少々面倒だけど、切った後の部品の形はきれいになる)が多いので、そこは覚悟して取り組んだ方がよさそうです。

日本製美少女プラモからの影響も感じさせる胴体

脚をまっすぐ伸ばすとこういう感じなんですが

曲げるとシリンダーが動く! 楽しい!

ウィングの内部にはギアが配置されています

ギアで連動して、3枚の羽が一気に開く!


 胴体周りの設計などは先行する日本製美少女プラモからの影響も感じられるんですが、このキット独自の部分も味付け濃いめ。どうやらこのプロトタイプ・イェーガーはサイボーグらしく、手足はメカになっております。このメカ部分の表現になかなか気合が感じられます。特に膝部分は曲げる動作に連動して太もも前面の装甲とスネのシリンダーがグッと動く作りになっており、曲げたり伸ばしたりするだけで楽しい。背中に背負っている巨大なウィングもギアで連動して開閉したりして、とにかくメカがグイグイ動くところが好きな人たちが作ったんだろうなあという気持ちに。でもまあこのウィング、左右で合計4つ作る必要があるんでそれなりに大変なんですけどね……。

全部組み立てるとこの一揃いが完成します。すんごいボリューム


 日本国内の美少女プラモだったら、割と重武装な物でも大体は「フィギュア本体および、それに取り付ける武装パーツ」という構成になっています。しかし核能矩陣のキットは一試合完全燃焼、フィギュアにちょっと武装がくっついて終わりという構成にはなっておりません。というわけで、箱の中にあるものを全部組み立てると「フィギュア本体および、巨大なウィングが4枚くっついた組み替え用上半身と膝上からの脚部パーツ、ならびに各種武装やエフェクトパーツ」という、五月人形の豪華なやつくらいのボリュームになります。ブルーグレーを基調としつつ各部にクリアオレンジが配されていて、配色としてもなんだか豪華でメカニカル。執拗にパーツの色分けがされているので、塗装をしなくても充分見栄えがするのも嬉しいです。

ハイキックも余裕

手首パーツが多数付属するので、武器を持たせることもできます


 で、フィギュア本体(アメリア・ハートマンさんという名前なのだそうです)を動かしてみると、これ単体でもよく動く。特に膝はトンチが効いています。美少女プラモにおいて大きな問題になるのが「膝の関節をどう処理するか」でして、膝というのは関節の軸がひとつしかないにも関わらず、生身の人間の体は柔らかいので、ほぼ170°近く曲げ伸ばしすることができます。が、硬いプラスチックでこの動きをそのまま再現するのは不可能。なので美少女プラモの膝を170°近く曲げようとすると、腿の裏側に大きなえぐれ込みを作る(裏から見るとちょっと変)とか、膝の関節を二重にする(見た目がメカっぽくなって不自然)というデメリットのある方法をとることになります。

脚がメカなら堂々と二重関節にできるってワケ


 が、プロトタイプ・イェーガーは「この子、最初から手足がメカなんすよ!」というウルトラCでこれを解決。膝は堂々と二重関節になっておりますが、ハナから見た目がメカなので何の問題も無し! おまけにクリアオレンジの外装パーツがくっついてカッコいい! ちょっと身も蓋もない気がしますが!

素の状態から残っているのは、胴体周りだけです

ウィングを広げると、置き場所に困るボリュームに!

ウィングの関節を生かして、体の前に持ってくることもできます


 手足がメカのサイボーグなので、パーツを組み替えて全身フル装備状態にするとこんな感じに。胴体と脚の付け根以外は素の状態から総とっかえになりまして、ハイパーターボファン(と説明書に書いてある)がくっついたウィングが4枚生えた姿になります。この状態だとかなりのボリューム。ウィングにも関節がたくさんあるので、開閉ギミックと組み合わせて大きく表情をつけることができるのも楽しい。

腰の後ろに吊っているスカート状のパーツは、「ディバイン・パニッシュメント」という弓形の武器になるのです。すごい名前の武器だ

「ディバイン・パニッシュメント」は、分解してファンネルのようなディスプレイもできます


 このキットの面白いところが、組み替えて自由に遊べる点。腕やウィングの付け根のジョイントは同径なので、素体の時の腕に付け替えたり、腕自体をウィングにしたり、顔だけ素顔にしたりとやりたい放題。エフェクトパーツも、好きなように取り付けることができます。実際説明書にもいろいろな組み替え例が載っており、「部品は色々用意したから、好きに遊んでくれよな!」というメッセージが伝わってくるようです。よく言えば自由度高め、悪く言えば割と投げっぱなしなこういうスタイル、近年の中国ハイターゲットトイではちょいちょい見ますね。アニメやコミックなど、元ネタになる題材がないから可能な自由さだなあ……と思います。

ボリュームの大きさとパーツの多さはやる気の表れなのだ!


 というわけでハリケーン・アサルト・リベンジャー:プロトタイプ・イェーガーでした。最近の中国製全乗せ大作系美少女プラモらしい、かなり貪欲な内容だったと思います。とにかく部品点数と組み立て工程にボリュームがあるので、ちゃんと塗装までやろうと思ったらけっこう気合と時間が必要なキットなのは間違いありません。が、とにかく「オレが考えた最強の美少女プラモを見てくれ!」という気迫を感じたのも事実。事前の予習も必要ない(なんせ"原作"にあたるアニメやコミックが存在しないので)ですし、目先の変わったプラモデルを作りたいな~という人は軽率に手を出してみてはいかがでしょうか。


商品情報:

核能矩陣NUKE MATRIX サイバーフォーレスト FANTASY GIRLS ハリケーン・アサルト・リベンジャー:プロトタイプ・イェーガー プラスチックモデルキット

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています


閲覧数:533回