今回は以前に引き続き明日乃后(ライフアフター)シリーズを扱います。
以前の記事はこちら↓
今回紹介するのはシリーズ4体目と5体目です。
シリーズ4体目はLAI004感染者「ワーカー」。オーバーオールにヘルメットを被った格好で立体化されており、現場作業員がゾンビとなった姿のようです。
造形的に面白いポイントも多い本商品。
早速魅力に迫っていこうと思います。
まずは正面の立ち姿から。
通常は傾いた立ち姿はフィギュアのポージングとして忌避すべきものですが、ゾンビというキャラクターの特性から少し傾けて立たせると不気味さが増しますね。
造形的にはレイヤードな着こなしの胸元が非常に見応えがあります。
オーバーオールの胸元がひっくり返って裏面が表に出ているところなどは、3.75インチという小サイズを超越した妙味を感じる部分です。
次は全身を横から捉えた写真です。
過去の商品でパーカーの着脱が可能である旨は既に紹介しましたが、本商品のヘルメットは頭部と一体成形。
オーバースケールなステッチのディテールが良い味を出していますね。
模型と言うものは単に現物を忠実にダウンサイジングすれば良いかと言えばそうではありません。
何処を際立てるのか、何処を省略するのかを考えなければ良い模型、良いミニチュアは生まれません。
本商品では「オーバーオール」というワークパンツの堅牢な作りを、オーバースケール気味なステッチによって表現していると言うことができます。
続いて後姿です。
工具ポケットのついたベルトが右側に傾いているところに味を感じますね。
上半身を前後で挟むというオーバーオールの構造が良く分かります。
オーバーオール姿のフィギュアを目にする機会が今までになかったので新鮮です。
真横から見ると胸元の「めくれ」が良く分かりますね。
今までに紹介した3商品は「出血」をイメージした塗装表現でしたが、LAI004は「返り血」らしき表現が目立ちます。
「危険等級:★★★」とあるだけに、生きた人間を襲うキャラクター性が現れているのでしょうか。
細身の素体に加え、動きを阻害するパーツも少ないので可動範囲は良好です。
股関節の可動を工夫すると90℃開脚もできてしまいます。
続いて足を見ていきましょう。
LAI001~LAI003で素足、サンダル、スニーカーと異なる履物を網羅してきた本シリーズ。
LAI004では作業員らしくワークブーツを履いています。
また、今までは素手でしたが、本商品は手袋を装着しているのも特徴です。
可動範囲が優秀なのはシリーズ共通の特徴。
実在感のある格好をしたフィギュアが、現実の人体では取りえないポーズを取っているのは異様さと恐怖を強く感じる部分です。
続いてLAI005感染者「シャツ男」を紹介します。
ジャケットを身にまとった姿で立体化されています。
ジャケット姿に白髪ということで、アメコミフリークの僕としてはスパイダーマンのヴィランとして有名なトゥームストーンを想起しました。
真っ先に目についたのは手首の可動軸です。
同じ素体を流用しているのか、手首の可動範囲はLAI001と共通。
LAI001同様、本商品にも付属武器などはないのでなぜ左右の手首で可動範囲が異なるのかは不明。
同メーカーの別ブランドで展開していた玩具シリーズから素体を流用しているのでしょうか?
ジャケット(コート?)が長めに作られているので、腰をかがめると体と衣服に空間が生じ、ポージングによっては風ではためいたような演出してくれます。
シリーズを通じて可動範囲の広さには触れてきましたが、JOY TOYというブランドの可動に対する飽くなき探求心を感じた部分がこちら。
ハイカットスニーカーの可動です。
リング状にカットされた「ハイカット部分」(足首を覆う箇所)の輪の中に素肌の足首を通すという非常にトリッキーな構造をしています。
「ハイカット部分をスネと一体成型にして、塗装で素肌と靴とを分ける」という処理は他の玩具シリーズで見たことがありますが、リング状のパーツを素肌に通すという処理は少なくとも僕の観測範囲では見たことがありません。
かなり面白い処理だと感じました。
右腕部分には破れたディテールがあり、肌が露出しています。
このあたりのディテールはシリーズ共通ですね。
後ろ姿です。
ジャケットは左右対称ではなく、左側だけが垂れ下がった状態。
絶妙なニュアンスがあって色気を感じる造形です。
腰をかがめて前屈姿勢をとると、ジャケットがはためいているように見えます。
思わず疾走ポーズを取らせたくなりますね。
(スタンドは付属しません)
スタンドがあると一気に遊びの幅が広がるのがアクションフィギュアの良いところ。
今まさに襲い掛からんとするポーズも何のその。
お手元にスタンドがある方は是非利用してみてください!
ゲーム自体に関する知識は全くのゼロでしたが、世界観は分からないながらも造形の素晴らしさは明らかで、作品の世界観から独立してフィギュアとしての魅力だけで十分戦える商品だと感じました。
ゾンビ系の立体物でいうと、実は最近国内メーカーのコトブキヤが“END OF HEROES”という1/24サイズのゾンビプラモをリリースし、話題になりました。
「大陸でも日本でも、ゾンビちょっと来ちゃってるんじゃない?!」
そんなブームの到来を予感させるライフアフターシリーズ。
1/18サイズの3.75インチフィギュアですので、同じくJOYTOYからリリースされている「戦星辰」シリーズとの組み合わせても遊べますし、小さいながらも可能性は無限大!
ぜひあなたのコレクションに加えてください!
商品情報:
■ライタープロフィール
ニックネーム:蒼人
出身地:日本・神奈川県
自己紹介:帰宅後に家事の合間を縫ってプラモ製作に勤しむリーマンモデラーにして毎週末劇場に足を運ぶ映画マニア。
TBSラジオのヘビーリスナーかつハガキ職人でもあります。
ブログ:https://onogoroblog.hatenablog.com/
Podcast:
https://open.spotify.com/show/2PFrsto4lGOsFSNT6FzHfl?si=16425d0f9c734130
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