【テレパ実物レビュー㉑】ナマモノ造形の極北! JOYTOYコラボ商品「明日之后(ライフアフター)」シリーズの魅力に迫る:その1
キットに触れた生の感想をユーザー目線でお届けする「実物レビュー」。
このコーナーではすでにおなじみの注目の中国トイメーカー「JOYTOY」より、人気ソーシャルゲームとのコラボ商品シリーズを読者の皆様に情報をお伝えします。
『明日之后』と銘打たれた本シリーズ。僕はゲームに疎いので検索してみて初めて知ったのですが、どうやら同名タイトルのアプリゲームがリリースされているらしく、日本でも2019年に配信開始。国内に30万人以上のユーザーを抱える人気シリーズのようです(日本版タイトル:「ライフアフター」)。
Wikipediaの序文を以下に引用します。
ライフアフター(英:LifeAfter)は、NetEase Gamesが開発し、運営する終末オープンワールドサバイバルゲームで、リアルなゾンビ世界サバイバルを再現し、アイテムを取得して敵の襲撃に備え、色々な遊び方が可能なゲーム。2019年4月18日日本で配信をはじめ、2019年4月22日にAndroid版が配信された。
JOY TOYが展開するシリーズとして、以前「戦星辰」シリーズや「暗源」シリーズなどを紹介してきました。
アーマーやロボットといったメカニカルな造形に長けたメーカーであると私は認識していましたが、ライフアフターシリーズはメカとは正反対の生物的(※死んでいますが)な造形。
思えば「戦星辰」シリーズをレビューしたエントリでも、アーマーの下に隠れた兵士の顔の造形が非常に優れている点をフィーチャーしました。
参考記事:【テレパ実物レビュー②】手のひらサイズの機甲師団をコレクションしよう!JOYTOYから1/18スケールアクションフィギュアの「星辰の戦い 星間連邦第1軍団」シリーズを遊んでみました!
「星辰の戦い」でも顕著だった生物に対する造形の確かさが本シリーズでも生きています(※死んでいますが)。
パッケージはシリーズ共通の仕様。
縦長の紙製パッケージの中にブリスターに守られる形で商品が入っており、共通のカードと各キャラクターを紹介するカードが付属します。
カードには「危険等級」などのステータスが記載されています。
LAI001 感染者「パーカー男」

最初に紹介するLAI001はフードを被った成人男性のゾンビです。
(個人名ではなく「感染者LAI001」と題された商品名が、この作品の終末的な世界観を物語っている感じがします)

胸部には感染を示すメタリックブルーに彩られた心臓、土気色の肌に滴る血糊、衣服へのダメージ加工。
これらはシリーズに共通した特徴です。
LAI001は外れてダラりと垂れ下がったベルトが非常に良いですね。原型師のこだわりを強く感じる部分です。
全身に仕込まれた関節と、適度な関節強度のおかげでおなじみのポーズも難なく取れます。

ゲームには疎く、映画もドラマもゾンビ物はあまり観ないのでわからないのですが、今こんなステレオタイプなポーズをするゾンビ描写ってあるんでしょうか(笑)
LAI001の特徴としては、この手首の関節が挙げられます。

腕を伸ばして掌を地面に向けたとき、左手の手首は前後に、右手は左右にスイングするようになっています。

アメリカントイで銃持ち手が左右スイング、銃を持たない方の手は前後スイングというパターンはたまに目にしますが、付属品がないにも拘らず左右の手首で異なる可動軸を採用しているのはあまり例がないですね。
小スケールながら造形に手抜きがないのはさすがJOY TOY。ボトムスのハトメの塗り分けやお尻のポケットの造形まで余念がないのには舌を巻きます。

膝は2重関節で正座が可能。

膝に2重関節を採用したアクションフィギュアは1/12(6インチ)サイズでは一般的ですが、1/18(3.75インチ)サイズで採用しているのは本当にすごいことだと思います。
パーカーは脱がすこともできます。

パーカーに合わせて二の腕が紫色なのでちょっとチグハグ感は否めませんが、うれしいギミックです。
キャストオフすることで服の下に隠れた肌を見ることができ、身体に刻まれた生々しい傷を味わうには最適です。


可動範囲は非常に広く、アーマーを着込んでいるわけでもないのでその可動範囲を最大限に発揮できます。

首/胸部-腹部/腹部-腰部 に関節があるのでこのように前屈も何のその。
僕は体が硬く前屈しても床に手が届かないので、LAI001の方が柔軟性で上回っていますね笑
LAI002 感染者「ぽっちゃり男」

つづいて「LAI002」。半袖短パンにサンダル履きの巨漢です。

感染で肌の色が変化したのか、ほとんどシャツと同色に見えますね。
胸部にブルーメタリックの感染箇所が見えるのはシリーズ共通。
横から見てみましょう。

脂肪を蓄えた胴回りの造形表現の何と豊かなことでしょう。
また、ジーンズに施されたライトブルーのドライブラシが非常に良いです。ケミカルウォッシュ感が滅茶苦茶上手く出ています。
これは思わずプラモの塗装で僕も真似したいなと思ってしまったくらいです。
体の表面積の大きいLAI002はジーンズに施されたステッチの造形も存分に堪能できますね。
太ももには回転軸が設けられており、体を支える脚の可動は非常に柔軟です。
今度は背中から。

表面積も大きく、お腹の膨らみや心臓がある正面とことなり、変化の乏しい背面は間延びした印象を与えてしまいそうなもの。
しかし服に寄る細かなシワの豊かな造形のおかげで間延びするどころか非常に見ごたえのあるポイントになっています。
特にシャツの下の方の造形が一品で、腰回りの肉の反発で上部と比べてシワが多く寄っているのが見て取れます。
漫然とシワの造形を入れるのではなく、シワの寄り方にも意味合いを持たせているところに、JOY TOYの抱える造形師の確かなセンスと力量を感じます。
前屈させてみました。

腰から首にかけての上半身が一体成型なので可動範囲はLAI001ほどの可動範囲はありません。
しかし上半身を一体成型にしたのは正解でしょう。
丸っとした体つきは分割線なしで造形されてこそ表現できるものでしょうから。
腕の可動をLAI001と比較してみましょう。

右手と左手で可動方向の異なったLAI001とは異なり、LAI002は左右の手首で可動方式は共通です。
LAI003 感染者「ジーンズ女」

続いてLAI003です。
LAI001、002と細身の男性、太めの男性と続いてきましたが、LAI003は細身の女性です。
ノースリーブにジーンズ姿でパッケージに入っていますが、蓋の内側に写真がある通りオプションでパーカーを羽織ることができます。
LAI001でもパーカーの着脱が可能でしたが、本商品では完全コンパチ仕様。
二の腕部分が素肌とパーカーで選択可能となっております。
早速商品を見ていきましょう。
非常に細身で立体化されています。

LAI001は裸足、LAI002はサンダル履きでしたが、LAI003はスニーカーです。
同シリーズで見比べた時に足元にキャラクター性が表れているのは面白いですね。
ボトムスはアンクルパンツでしょうか。足首が見える丈の長さとなっています。

続いて本商品の目玉。
コンパチ仕様となっている上着の装着を見ていきましょう。
両腕の肩関節を胴体から取り外し、別パーツになっている上着に腕パーツを通します。

胴体肩部の凹に腕パーツ側の凸部を差し込んで換装完了。

上着を羽織ると上腕部が固定され、腕の稼働は肘から先のみとなります。
しかし稼働範囲が狭まることで却ってゾンビらしいポーズがとりやすくなるような印象があります。
本商品の見どころの一つはハンドパーツ。
非常に細く造形された指先に注目してください。

手のひら側から見ても手の甲の側から見てもその繊細な作りと、細部の造形へのこだわりが伝わってきます。
前述の2体とは異なる長い髪の表現も見事です。
そんなわけで、JOYTOYの手がけるコラボ商品シリーズ「明日之后(ライフアフター)」シリーズより、LAI001、LAI002、LAI003でした。
次回は同シリーズ004と005を紹介します!
商品情報:

■ライタープロフィール
ニックネーム:蒼人
出身地:日本・神奈川県
自己紹介:帰宅後に家事の合間を縫ってプラモ製作に勤しむリーマンモデラーにして毎週末劇場に足を運ぶ映画マニア。
TBSラジオのヘビーリスナーかつハガキ職人でもあります。
ブログ:https://onogoroblog.hatenablog.com/
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