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【テレパ実物レビュー⑳】名脇役を揃えて「人形遊び」を堪能! JOYTOY「メカ格納庫 Mecha Depot 1/18スケールジオラマ」シリーズ

 その昔、人形といえば布の服を着たものがメイン。いわゆる「着せ替え人形による人形遊び」が遊び方の主流だった時代には、人形のサイズは30㎝前後ありました。しかし、服まで全て樹脂でできた『スター・ウォーズ』のベーシックフィギュアは3.75インチ。およそ10㎝ほどの大きさです。それ以前の人形に比べて、グッとサイズダウンしたことがわかると思います。


 このサイズダウンは「乗り物やストラクチャーと組み合わせて遊ぶ」という遊び方が前提だったから。30㎝ほどの人形が乗るXウイングを作ろうと思うととんでもないサイズになりますが、10㎝の人形ならまだなんとかなります。というわけで、10センチ前後の大きさのフィギュアは乗り物に乗せたり基地に配置したりといった遊びとも相性が良く、数多くのプレイセット的なオモチャがアメリカや日本のメーカーなどから発売されてきました。そんなプレイセット系オモチャのシーンに、「暗源」のJOYTOYも殴り込みをかけております。

Mecha Depotシリーズの箱はJOYTOY製品でおなじみの黄色いやつ。これは「Testing Area」です。名前の通り、何かしらの試運転をしたりするエリアなのかな

こちらは何かしらの会議室であろう「Meeting Area」。シリーズ名の表記などはないので、どのフィギュアと組み合わせてもいいから好きに遊んでね、ということみたい

こちらは「Watching Section」。格納庫全体の出入り口的なエリアってことかな……

これは「Watchtower」。見たまんまの監視塔ですね


 JOYTOYの「Mecha Depot」シリーズは、その名前の通り格納庫のような情景を作るためのシリーズ。今回レビューする「Testing Area」「Meeting Area」「Watching Section」「Watchtower」は、格納庫内のそれぞれのセクションをイメージしたセット内容になっており、また複数組み合わせれば大きなジオラマになるという趣向です。スケールはJOYTOYの戦星辰シリーズと同じく1/18。まさに3.75インチフィギュアのプレイセットを彷彿とさせるスケール感です。

スリーブから中の箱を引き出して開封。簡易包装って感じですね

中には塗装済みの部品が。一度出しちゃうと綺麗に中に収めるのはけっこう大変

パーツリスト兼組み立て指示も同梱。基本この通りに組み立てていけば完成します


 箱を開けてみると、それぞれバラバラの状態の部品がビニール袋に入っております。説明書に従ってパーツを組み合わせると、それぞれの建物が完成するという作り。完成するとけっこう巨大なストラクチャーができるので、組み立て式になっているのは納得です。まあ、組み立てるのが少々めんどくさいですが……。また、組み立てに使うジョイントはほぼ全て5㎜軸、なおかつ各セクションで共通パーツも多数使われているので、パーツを自由に組み合わせてオリジナルの基地を作ることも可能。ブロック玩具的な楽しさがあります。

こちらが「watching Section」。二階建てで高低差があるのが楽しい

「Meeting Area」がこちら。長机に椅子にホワイトボードも完備と、マジで「会議室のオモチャ」です

こちらが「Testing Area」。大型メカを置いても楽しそうなセクション

シリーズ最大サイズの「Watchtower」。50㎝ほどの高さがあり、設置にあたっては覚悟が試されます


 組んでみるとこんな感じ。1/18のストラクチャーなのでいずれも思っていたよりボリュームがあり、1/18スケールの建物って大きいんだな……と驚く結果に。組み合わせてもっと大きなジオラマにもできるんですが、撮影スペースの都合で断念したくらいのボリューム感です。住宅事情的にけっこう厳しいお宅もあると思うので、割と小ぶりな「Meeting Area」あたりから買ってみるのもいいかも。


 他のJOYTOY製品と同じく、パーツは全て塗装済み。汚しも入っているので、組み上がった後も使い込まれた格納庫らしい雰囲気があります。格納庫の床のような面積の広い部分が成形色そのままだと、チープな味になってそれはそれで悪くないわけですが、やっぱり塗装されているとリッチな雰囲気になりますね。ただ、「組み立て用のダボやダボの受けにも塗料が乗っちゃっており、差し込もうとするとめちゃくちゃ硬くて苦しむ」というJOYTOY製品あるあるはいまだ健在。冗談抜きで部品のダボを打ち込むのにハンマーが必要なレベル。これのせいでマジで組み立てづらい部分があり、頼むからパーツの接合部だけはマスキングして塗装してくれと願うばかりです。コンセプトはわかるし努力や熱意も伝わってくるんだけど、本質的にユーザーフレンドリーな気遣いがないので損をしている……。



 組んだままだと無人の倉庫ですが、やっぱりフィギュアと組み合わせると楽しく、人形遊びが大いに捗ります。デザイン的にも「なんとなくSFっぽい基地」の最大公約数的なテイストになっており、組み合わせるフィギュアの見た目を選ばないのもナイス。特に戦星辰シリーズにはけっこう味付けが異なるデザインのフィギュアが混在しているので、これくらいボヤッとしたデザインの方がいいですね。やっぱり基地遊びは楽しいなあ!

 というわけで、「Mecha Depot」でした。あくまで脇役的なアイテムではありますが、フィギュアと組み合わせて遊ぶのはやっぱり楽しい。大型のメカと合わせても捗りそうです。こういった脇役アイテムをシレッとリリースしてくるあたりに、現在のJOYTOYの勢いや底力を感じますね。このスケールのプレイセット/基地系のアイテムといえばまずアメリカ製トイと相場が決まっていましたが、同種のアイテムが中国から出てきたというのはけっこう驚きです。色々と改善してほしいところもなくはない(特にダボに塗料を塗ってパーツの嵌合をメチャクチャにするのは本当にやめてほしい)のですが、全体的には熱いプレイセット魂を感じるいいオモチャだと思います。


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■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています



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