実物レビュー第18弾。
前回の「焦糖重炮(キャラメル)」に引き続き核誠治造の手掛ける機動都市αシリーズより「颶風(ハリケーン)」を紹介します。
前回キャラメルを紹介した際、パッケージ背面を写した写真を掲載しておりませんでしたが、このように機体とパイロットのイラストが掲載されています。
(左が今回紹介するハリケーン、右が前回紹介したキャラメルです)
同じ世界観を共有するメカとは思えないくらい両機のデザインに幅があるのが面白いですね。
丸っこいボディに黄色い機体色の非常にかわいらしいキャラメルは『ガンダムビルドファイターズ』のクマッガイⅢを彷彿させる癒し担当といった位置づけでしょうか。
背面の表側(ランナーが配置される方)に描かれた都市を背景にしたCGイラストはキャラメルとハリケーン両商品とも共通です。
全く同じサイズのブリスターケースにパッケージングされていますが、キットによってパーツ数が異なります。キャラメルはランナーが3枚、ハリケーンはランナーが4枚の構成。
背面の箱状の部分の厚みでランナー枚数の差を吸収するようになっています。
前回紹介したキャラメルと合わせて、ハリケーンのキットのサイズを見ていきましょう。
まずはキャラメルから。非常にコンパクトなサイズです。
モデラー界隈だと塗料瓶と並べておけば大凡のサイズ感が伝わるのですが、(アクションフィギュアの愛好家が多そうな)ホビーテレパ読者の皆様には伝わるものでしょうか。
アクションフィギュアがお好きな方は必ずしもモデラーという属性とクロスしないのではないかと写真を撮り終えていから思い至りました……大きさ、伝わりますでしょうか?
今回紹介するハリケーンのサイズはこんな感じ。
もう白飛びしちゃって何が何やらですね笑
これでディテールが伝わるでしょうか。
ボディが細い一方、肩から巨大なブースターユニットが生えたトップヘビーな構成。
足首、股関節、ブースターユニットがボールジョイント。
首、膝、肩が1軸可動です。
肘の可動はありません。
クリアブルー×クリアピンクという驚きのカラーリングだったキャラメルから一転、ハリケーンのクリアバージョンはクリアホワイト×クリアピンクの機体色です。
カラーのバリエーションというよりも、ハリケーンが高速移動した際の残像のように見えますね。
CGイラストとキットを比較してみましょう。
細い四肢に巨大なブースターユニットという特徴的なシルエットを小サイズながら見事に立体化していることが見て取れるでしょう。
このユニットは横から見るとどこか魚のようなシルエットをしています。
僕は詳しくないのですが、どことなくダライアスシリーズの敵機をデフォルメさせたように見えませんか?
先ほど述べた通り、クリアカラーは残像のように見えることから飛行状態をイメージしてスタンドで浮かせてディスプレイしてみます。
2つのキットが重なるように写真に収めたり……
敢えて少し離れて配置することで一気に加速して迫り来るような演出ができます。
トランザム!
非常に小さなキットなので、カラーバリエーションを揃えやすい機動都市αシリーズ。
「颶風(ハリケーン)」は単なるカラーバリエーションとして横に並べる以上に、クリアバージョンを“残像”に見立てて遊ぶことができるのがうれしいところ。
ランナーは4枚でキャラメルよりはパーツ数が多いですが、このパーツ数ならプラモ慣れしている人であれば全パーツを事前に切り出して一気に組み上げるのが良いでしょう。
最後に一点アドバイスを。
全パーツ硬質プラで、可動部にもポリキャップや軟質プラが採用されていないため、クリアバージョンは普段よりも少しだけ力の入れ具合に注意すると良いでしょう。破損リスクが最低限に緩和されるはずです。
また、尖ったパーツが多い点は組み立て時のケガや破損リスクを高める要因です。
そういったキットを扱う際は説明書の記載順にこだわらず、華奢なパーツを後から組み立てるのも一つの手です。
特にボールジョイントを嵌める際に大きな力が加わるため、指が滑って意図せざる場所に触れてしまわぬようご注意ください。
具体的には以下のような順序で組むと破損のリスクを最小限にすることができると思います。
胴体→両腕→両足(ボールジョイント)→両肩のブースターユニット(ボールジョイント)→アンテナ→頭部
この辺はプラモを数多く組んでいると自然と身につくリスク回避術ですので、余計なお世話かもしれないと思いましたが、組み立て途中にパーツを破損して泣く人が一人でも減るよう敢えて掲載いたします。
次回は同シリーズの亚瑟(アーサー)を紹介します!
■ライタープロフィール
ニックネーム:蒼人
出身地:日本・神奈川県
自己紹介:帰宅後に家事の合間を縫ってプラモ製作に勤しむリーマンモデラーにして毎週末劇場に足を運ぶ映画マニア。
TBSラジオのヘビーリスナーかつハガキ職人でもあります。
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