JOYTOYの製品には1/18スケールのフィギュアを中心とした「戰星辰」シリーズと、1/25スケールでフィギュアとロボットを組み合わせて遊べる「暗源」シリーズが存在します(他にもシリーズ自体はあるけど、フィギュアの大きさは大体この二種類)。が、ひとつややこしいのが、暗源シリーズでありつつ「1/18スケールで、なおかつロボットと組み合わせて遊べる」という製品も存在するという点。ややこしいな!
確かに、1/18スケールフィギュアというか、3.75インチフィギュアは『スター・ウォーズ』のベーシックフィギュアの頃から「フィギュアが乗れるようなビークルと組み合わせて遊ぶ」のが前提の一つだった規格ではあります。が、それって住宅がメチャクチャにデカいアメリカでの話であって、実際に3.75インチフィギュアのプレイセットとかを見ると「これは家のどこにどうやって置くのかな?」という気持ちになるのも事実……。ですがJOYTOYは、そんな3.75インチフィギュア伝統のプレイセット的アイテムにも果敢に挑戦しております。中国のマニアの住環境が心配になりますが、きっと彼らの家もさぞかしでっかいのでしょう。その意気や良し!
箱がもうデカい
ということで、今回紹介する「XINGTIAN MECHA」は、箱からして巨大。縦37㎝、横24㎝という、堂々たるサイズの箱に収納されております。う~ん、デカい。そしてデカいオモチャは無条件で偉い。なぜ偉いかというと、サイズがデカいということはちょっとしたディテールを入れても小さいオモチャのディテールより相対的に細かく見え、メカっぽいゴチャゴチャ感や情報量の密度が濃くなりやすいのです。また、刃物状の武器のエッジや装甲の縁などといった部分が同じ1㎜のプラスチックでできていたとしても、サイズが大きければ相対的にシャープに見えてくるという利点も。そんなわけでデカいオモチャはそれだけでカッコよく見えたり存在感があったりして最高なので、皆さんもデカいオモチャを積極的に買って自宅の収納スペースを破滅させましょう。
武器が7つも付属! そのうち2本が鎌! 鎌って!?
箱を開けてみると、やはり中身もでかい。ロボット本体の全高はおよそ32㎝。さすがの存在感です。本体の他には手首につけるブレード状の武器、小型の銃が2丁と大型の銃が1丁、そして刃が折り畳める鎌形の武器が2本と、武器が盛りだくさん。銃やらなんやらは他のフィギュアでもよく見ますが、鎌が2本入ってるのはちょっと異色。鎌持ってるキャラって死神モチーフで全体的に黒っぽかったりしがちかな……と思うんですが、ところがどっこい全体が茶系の塗装でまとめられているというのも、個人的には意表をつかれた感。
武器を取り付けて完成。塗装がリッチ!
鎌2本は背中に背負うのだ
背中に鎌を取り付けるためのアタッチメントを組み立て、両手にブレード状の武器を取り付ければ完成。組み上がった状態で改めて見ると、やっぱり全塗装かつ塗装が丁寧なのはJOYTOY製品のいいところですね。今回も装甲のエッジやモールドなどには暗色が吹き付けられており、陰影を強調したグラデーション塗装となっています。これだけデカい立体だと間伸びしないように塗るのも大変ですが、武器類も含めて塗装がリッチなので、「高級なオモチャ触ってんな!」という感じがします。
鎌の刃は可動。収納状態から、折り畳み式のナイフみたいな感じで引き出せます
付属のデカい鉄砲は、どうやらこうやって持たせるのが正しいらしい
足首が横に動かせるので、接地もしっかりしています
サブマシンガンの弾倉は着脱可能
両腕はここまで前に引き出せます
これが通常状態の肩ですが……
ほぼ90°前方に倒せる
武器を持たせて動かしてみると、これが意外によく動く。細身のデザインなので装甲パーツが干渉しないというのもあって、けっこうバシバシとポーズが決まります。特に肩は大きく前方に引き出すことができるので、鎌や両手持ちの銃を持ったポーズに違和感がない。足首も横に倒せる可動軸が設けられておりまして、大きく脚を広げたポーズが取れるのも嬉しい。この足首を倒す関節も含め、主要な関節にはクリックが入っているので、大きくて重いオモチャですが割とヘタらずにポーズをつけることができます。足首の横方向の関節にクリックが入っているのは、このサイズのオモチャだとマジでありがたい。
「フィギュアだけで売れるんじゃないの?」というくらいのボリュームがある
いつものJOYTOYのフィギュアと同じくらい動く
付属のフィギュアは「戰星辰」シリーズとほぼ一緒の仕様。各部の装甲類は取り外すこともできますし、交換用の手首4つとライフルと拳銃も付属しております。あんまりオマケ感がないというか、これだけ単品で製品化されてもそんなに文句ないな……という仕上がりになっており、銃器類を構えたポーズも決まってかっこいい。全体的にSF感が強めの服装ではありますが、ヘルメットの左右になんか光学系の装置っぽいものがくっついているあたりに現用装備的タクティカル文脈の匂いを感じることができます。
狭いけど我慢してくれ!
シートの縁がちゃんと汚れている!
で、付属のフィギュアは当然ロボットに搭乗可能。中はかなりギチギチに狭く、ちょっと座らせ方を調整するか、もしくは肩の装甲を外した方がいいかもという感じではありますが、とにかくパイロットとしてロボットに搭乗することは可能です。また、コクピットないには色々とそれっぽいディテールが。特にグッときたのはシートのクッションの塗装。革製っぽい色ですが、パーツのエッジの部分にベージュっぽい色がドライブラシされており、縁が擦り切れてるような仕上げになっています。外から見えないところにも汚し塗装を入れる丁寧さ、おれには伝わったぞ。
ただ、コクピットの中や機体のガワの部分がちょっと大味な部分も。「暗源」あるあるな気もするんですが、各部のディテールの疎密というか、もうすこしゴチャゴチャしたところとなんもないところの緩急がつくともっとカッコよくなるのにな~という気持ちがありますね。
あと、これはフィギュアのサイズ的に仕方がないところもあるんですが、関節のクリックの入り方が粗めなんで、ちょっとポーズがつけにくい。あと、サイズがデカいことを考慮しても、ちょっとクリックが硬すぎるんじゃないの……というところがあります。足首なんかは手で持ちづらい形をしているというのもあり、無理に動かして大丈夫なのかけっこうドキドキするところも。それなりに値段のするオモチャというのもあり、破損に怯えながら遊ぶのもちょっと……という感じなので、クリックの硬さについてはJOYTOYにはもうちょい配慮してほしいなと思っております。
とはいえ、デカくてボリューム満点、遊びごたえもガッツリあるアイテムなのは間違いなし。一体家に置いておくだけで友達に差がつくこと請け合いな、「スネ夫が持ってるオモチャ」的なリッチさを感じさせるアイテムです。サイズ的にもプレイバリュー的にも、古から伝わるケナー魂というかプレイセット魂を感じさせてオモチャ好きとしてはちょっと泣けますし、床の間に飾っておけそうな存在感は一見の価値がありますよ!
商品情報:
製品特徴:
メカ:12.6インチ(32cm)
兵士:2.95インチ(7.5cm)
1/18スケール プラスチック製
高強度連結構造
内容物:
「重鎌の刑天」メカフィギュア×1
ブラスター×3
ブレード×2
鎌×2
パイロットフィギュア
追加の手×2ペア
ベスト×1
ショルダーアーマー×1ペア
前腕の鎧×1ペア
すね鎧×1ペア
コンバットベルト×1
ホルスター×2
ピストル×1
ライフル×1
©JOYTOY
■ライタープロフィール
ニックネーム:しげる
出身地:日本・岐阜県
自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています
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