【テレパ実物レビュー⑩】3.75インチフィギュアの最新形!JOYTOY「戦星辰(星辰の戦い)ENFORCER&HUNTER」

更新日:6月7日

 みなさま初めまして。オモチャ依存症のフリーライター、しげると申します。色々あってこのホビーテレパにて、ナウでモダンでヤバいチャイニーズトイのレビューを書いたりすることになりました。以後、何卒よろしくお願いいたします。


 自分は元々雑誌の編集をやっていたんですが、仕事と並行してトランスフォーマーなどタカラトミー系の変形ロボット玩具などを集めるようになり、色々買ったり調べたりする中で「なんか最近の中国のオモチャって面白いな〜」と思うようになった次第。一昔前は安かろう悪かろうで権利意識もムチャクチャ、ブートも海賊版もなんでもござれというイメージだった中国のオリジナルトイですが、どうやら昨今はだいぶ様子が違う。イカしたギミックやトレンドの先端を捉えたデザイン、何よりオモチャを企画した人たちの「俺はこういうトイが欲しいんだ!」「こういう遊びができたら最高だろ!?」という熱意が伝わってくる製品がゴロゴロと発売されております。実際すごいのよ、ほんとに。


 それで自分がフリーライターになったのをいいことに、何度かそういったアイテムを紹介する仕事もやっておりまして、今回ホビーテレパに出現することになったのも「こういうヤバいオモチャの存在を知らしめたい。そしてあわよくば中国のメーカーに接近し、おれが欲しいオモチャをこっちの元手ゼロで作ってほしい……」という目論見があってのこと。その第一歩として、「中国のオモチャとか言われてもよくわかんねえなあ」という人に「今はこんな製品が出てるんですよ〜」ということを知ってもらえればと思っております。


 で、今回紹介するのが、JOYTOYの3.75インチフィギュアシリーズ「戦星辰(星辰の戦い)シリーズ」より、ENFORCERとHUNTER。シリーズの中でも標準的な内容であるこの2体から、一体このシリーズの面白さはどの辺にあるのかを探ってみようと思います。

左が「ENFORCER」で、右が「HUNTER」なのだ


 「戦星辰」シリーズには、1/18スケールという表記があります。身長180㎝の人が大体10㎝ほどに換算されるスケールですが、このサイズ感はアメリカなどでは「3.75インチ」というフィギュアの規格におよそ当てはまります。1インチが2.54㎝なんで、3.75インチだと9.525㎝。ほぼ同じサイズですね。


 この3.75インチサイズのフィギュアは、その昔ケナーが発売した『スター・ウォーズ』のベーシックフィギュアに端を発し(なんでこの大きさになったのか、というのはネットフリックスの『ボクらを作ったオモチャたち』というドキュメンタリーで説明されており、面白いので全員見ましょう)、以降現在に至るまで海外製アクションフィギュアの標準サイズのひとつとなっています。

いろいろ買ったり改造したりを繰り返してもうなんか佃煮みたいになっちゃった、おれの3.75インチフィギュア(の一部)


 特にこのサイズのフィギュアで有名なのが、80年代に発売された「G.I. Joe: A Real American Hero」シリーズ。まず、フィギュア1体のサイズが比較的小さいので集めやすい。それに、全長10㎝程度という大きさならば、当時の技術でも全身に関節を仕込むことができました。また、アニメの「G.I. Joe」では敵も味方もさまざまな武器や乗り物を駆使して戦うわけですが、フィギュア自体が小さいのでそういった大型アイテムと組み合わせて遊ぶことも可能。集めてよし・動かしてよし・遊んでよしという、三拍子揃った規格だったわけです。


 ですが、本家アメリカでの3.75インチフィギュアの発売は近年なんだか低調。全く発売されていないわけではないのですが、各社ともに6インチ程度のちょっと大きめのフィギュアにシフトしてずいぶん経ちました。変わって好調なのが、今回紹介するJOYTOYなどアメリカ国外のメーカー。ほかにもHIYA TOYSやボスファイトスタジオなどから3.75インチフィギュアが多数発売され、それぞれにマニアックなこだわりが詰め込まれています。そういえば、今度52TOYSからもカプコンの名作ゲーム『天地を喰らうⅡ』の3.75インチフィギュアも出るそうですね。あのゲーム、中国でも人気あるんだね……。

箱のサイズやデザインは、「戦星辰(星辰の戦い)」シリーズの標準に準じております

前面をパカッと開くと中のフィギュアを確認可能! 12インチのミリタリーフィギュアの箱で見るやつ! 高級感〜

HUNTERにはフィギュア本体のほか、ライフルや拳銃が4丁にナイフ類2本、替えの手首が4つとベースが付属。武器だらけで嬉しい!

ENFORCERにはフィギュア本体の他、銃器類4丁に替えの手首5つ、ベースが付属。銃もガッチリ塗装されてて、リッチな雰囲気です


 というわけで、「戦星辰」シリーズもそんな3.75インチフィギュアシリーズのひとつ。まず特徴はそのデザイン。HUNTERとENFORCERを見てもらえばわかると思うんですが、ヘルメットや脚部の装甲についてはSF的なテイストを盛り込みつつ、腹回りや背中にはPALSウェビングでマガジンポーチや無線機といった装備品が取り付けられており、ミリタリー/タクティカルな雰囲気もプラス。ウェビングがバチバチついたプレートキャリアやレールだらけのライフルみたいな現用装備の上にSF的な味付けが乗っかったオモチャ、カツカレーみたいなもんですからね。嫌いな人間はいないはず。


 あともうひとつ「うまいな〜」と思ったのが、HUNTERとENFORCERの装備の雰囲気の違い。どっちも基本的な素体は一緒で脚部の装甲なんかは塗装が違うだけ。ですが、HUNTERの方はガイコツっぽいマスクに首元のシュマグ(だと思う)、それに全体的にヤンチャな塗装と刃物類の付属で「こいつはフリーランスの賞金稼ぎかなんかなんだろうな〜」という雰囲気にまとまっています。一方でENFORCERの方はカッチリしたデザインのヘルメットに全体が白でまとめられたカラーリング、装備と色が揃えられた銃器類のおかげで「なんか警察とか法執行機関の隊員なんだろうな〜」というムード。素体が同じなのに後乗せの装備や武装でニュアンスを変えてくる……器用だな、JOYTOY。

装甲に綺麗なグラデーションがかかってるのがわかりますでしょうか。こんな小さいフィギュアのグラデーション塗装、自分では絶対やりたくない

ポーチの色が全然揃ってないことのそれっぽさとか、無線機のコードがあえて赤なのとか、その配色センスをおれにも分けてくれという感じですね


 これらのディテールが活きるような塗装が施されているのもイケてるポイント。「戦星辰」シリーズでは3Dモデリングで作られたであろう装備品や装甲に、このサイズの量産品としてはけっこう限界なんじゃないの……というクオリティの塗装が施されています。HUNTERもENFORCERも装甲はグラデーションがついた塗装になっており、さらに装甲部は半ツヤ、その下の衣服はツヤ消しと、質感の違いまで気が使われているのは驚き。3.75インチのフィギュアってそれなりにディテールに凝れるサイズではあるんですが、こんな塗装は手順を考えただけでウンザリしますね。買った時点でもう塗ってあるんだから、オモチャってありがたいよなあ。

膝は二重関節なんで、ガッツリ深く曲がります

爪先も可動。ここが動くかどうかでポージングのしやすさが全然変わってくるのよ

手首は腕側と手側がそれぞれロールする上に、軸自体にジョイントがあって曲げられます。最近の1/12スケールなどのフィギュアでは標準になっている構造ですが、それよりグッと小さいサイズで手首がグリグリ動くので嬉しい

この図があるおかげで、バラしてカスタマイズしたり関節を調整したりできるのだ


 可動に関しても、かなり気が使われています。各関節の渋みや曲がり具合は程よく、動かしていてヘタったりイライラしたりするような部分はほぼありません。また、手首が3つの軸で可動したりつま先が動いたりするのもありがたいポイント。こういう末端部分が動くか動かないかでポーズをつけた時の自然さや緊張感が全然違ってきちゃうんですよね。また、説明書にフィギュアの分解図が載っているのもありがたい。関節の渋み調整や分解してのカスタマイズがしたくても、パーツ構成どこまで分解できるかがわからないと、破損が怖くて手を出しづらいですもんね。「オモチャをバラして自分好みに調整したい」というワガママにも優しいの、作り手が「こっち側」の人間だからなんだろうなという気がします。


この腕の付け根のえぐれ込みが! ありがたい! わかってる!

腕の付け根が深くえぐれているので、ライフルの両手持ちがばっちり決まるのだ

腕を内側にグッと寄せることができないと、目でサイトを覗くポーズがつけられないんですよ。本当にありがたい……

もちろんENFORCERでも肩付け照準ポーズは余裕。こんなにゴテゴテした格好なのに……

腕が内側に入るので、拳銃の両手持ちもできるのだ

いや〜、よく動くね、ホント


手首がよく動くので、刃物類を持ったポーズもバチッと決まるのだ


 あとこのフィギュアで激推ししたいポイントが、とにかく銃器類を構えたポーズがバチッと決まること! 上の写真を見てもらえばわかると思うんですが、ライフルのグリップを自然に持った状態で、ストックを肩につけてサイトを目で覗く動作ができるんですよね。これを無改造でパッとできる3.75インチフィギュアって、以前はほとんど存在しなかったんです。


 が、「戦星辰」シリーズのフィギュアは胴体パーツの肩から胸にかけての部分が深く抉れ込むように作られており、これによって腕を内側に入れ込むことが可能。さらに前述のように手首もよく動くので、人間が自然にライフルを持った時に近い角度をつけることができます。また、ハンドパーツが無改造で銃をしっかりグリップできるのも嬉しい(これができないフィギュアって多いんだよな……)。このあたりの気遣い、フィギュアで相当遊んでいないと出てこないアイデアだなという感じです。オモチャ好きな人が設計したんだろうなあ……。


 あと嬉しいといえば、これも声を大にして言いたいのが「武器がフニャフニャした樹脂でできていなくていい」という点。「戦星辰」のフィギュアに付属している銃器類はカッチカチに硬い! それこそちょっと前のハズブロあたりの3.75インチフィギュアは武器に使われている樹脂が製品によって違ったりして、物によってはライフルや剣がグニャグニャで触っててイライラしたものですが、そういうイラつきは皆無。ちょっと前までフィギュアの武器ってブリスターに入った状態ですでに変に曲がったクセがついたりしてて、熱湯やドライヤーでまっすぐに戻したりしたもんですが、そういう作業をやらなくてもいい! 嬉しい! 伝わりづらいかもしれないけど!


 とはいえ、気になる点も多少あります。HUNTERとENFORCERの2体に関していえば、走行部分など半ツヤで塗装されている箇所がちょっとベタつくのが残念といえば残念。ただ、それ以上に服と装甲での質感の違いを表現したかったんだろうし、それによって見栄えが良くなっているのも確かなので、これはなかなか悩ましいですね。あと、そもそも彼らはどういう設定のどういう人たちなのか、さすがにもうちょっと説明がほしいところ。なんかちょっとでいいから、ストーリー的な部分を補強してほしい……。まあ、「こっちは好きなように好きな雰囲気のフィギュアを作るから、気に入ったら好きに遊んでくれよ」ということなのかもしれないですが。

色々書きましたが、概ねオススメです!


 というわけで、今回はHUNTERとENFORCERの2体を通して、あらためて「戦星辰」シリーズの特徴を探ってみました。総じて全体的に出来はよく、モダンでリッチでハイクオリティな3.75インチフィギュアという印象です。特にタクティカルで近未来的なデザインと、それを引き立たせる塗装のクオリティはなかなかのもの。最近のSF映画やSF系のFPSが好きで、なおかつこのデザインにピンときたんなら、迷わずポチっちゃって大丈夫だと思います。いじってるとけっこうマジですぐ時間が溶けるくらい触りがいがあるんで、そこだけ注意してくださいね!

 

商品情報:

JOYTOY 星辰の戦い スケルトンシャドウウィング ハンター ブラック&ゴールドエディションVer.

JOYTOY 星辰の戦い スケルトンシャドウウィング エンフォーサー ブラック&ゴールドエディションVer.

製品特徴:

4.13インチ(10.50cm)

1/18スケール

プラスチック製

アクションフィギュア

専用武器付属

©JOYTOY

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています


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