今回の実物レビューでは前回のレビュー記事と同シリーズの「アイアンレッカー04 重装メカ」を紹介します。
商品公式画像はこんな感じです。
まずはパッケージ画像から見ていきましょう!
英語の商品名は“Heavy Firepower Mecha”。直訳すると「重火力メカ」になるでしょうか。
「重装メカ」の方が商品名としてこなれた感じがして良いですね。
同梱される兵士とのサイズ比はこんな感じ。
両肩にある特徴的なミサイルポッドを見れば分かるとおり、機体の大部分を前回紹介した「アイアンレッカー03 市街戦メカ」と共有しています。
カラーリングと頭部パーツ、武装が変更されるだけでここまで印象が変わるんですね。
現行兵器のデザートカラーに似た印象のカラーリングで、絶妙なミリタリー感がたまりません。
「市街戦メカ」はショルダーキャノンも手持ちの携行火器も銃身が短い一方、「重装メカ」は長大な銃身の砲を備えています。
「市街戦メカ」はその名の通り市街での戦闘を前提に作られた機体であるため、立ち並ぶビル群の中でも取り回しがしやすいショートバレルタイプの火器を採用しているのでしょう。
一方の「重装メカ」は、その武装から開けた土地、それこそカラーリングから想起される砂漠等での戦闘を想定して作られたメカなのではないかと思われます。
このように機体色や武装から妄想を膨らませるのも楽しいです。
兵士のフィギュアを以前紹介した星間連邦第1軍団シリーズ(同じくJOYTOYブランドです)と並べるとサイズ比はこんな感じ。
星間連邦第1軍団シリーズが1/18サイズ、今回紹介する闇源シリーズは1/25サイズなので大人と子供程の差があります。素体の可動箇所は星間連邦第1軍団シリーズからのフィードバックがかなり見られ、動いて欲しい関節部位は大抵動いてくれるような印象。
一方、星間連邦第1軍団シリーズにはあった爪先の可動がなくなっていたり、同シリーズでは素顔に被せる形だったヘルメットが素顔とのコンパチになっていたり、小サイズ故の最適化が成されています。
このサイズに爪先の可動を入れるとヒンジが小さくなりすぎて保持力が低下しますし、破損の可能性も高くなります。また、サイズを小さくすると素材の厚みの影響をモロに受けるため、頭部にヘルメットを被せる方式をとると素顔のパーツが小さくなりすぎるか、ヘルメットが大きくなってしまいます。
可動箇所や一部ギミックの省略は単なる「簡略化」と捉えずに「最適化」と捉える方が適切でしょう。
前回もコクピットを紹介しましたが、今回はより詳細に内部を見ていきましょう。
座席横にある液晶パネルをはじめ、細部にまでこだわって塗り分けられていることが分かります。
シートは簡単に取り外すことができ、普段は背もたれの後ろに隠れてしまう箇所のパイプにも細かな色分けが施されていることが確認できます。こういった細かな箇所も抜かりなく色分けされているとユーザーとしては非常に嬉しいですね。
コクピットにパイロットを座らせてみました。
市街戦メカのパイロットは首巻をしていましたが、今回の重装メカのパイロットは頭にバンダナを巻いています。髪型や小物でパイロットのキャラクター性の違いを見せてくれるのはJOYTOYの得意とするところですね。
前出の画像でも平然と長物の火器を両手で構えていましたが、この骨太なシルエットのロボットが両手で重火器を保持できるというのは実はすごいこと。
火器はPVC素材のムクではなくプラ素材(おそらくABS?)で非常に軽く作られているため、可動指のハンドパーツでも保持が可能です。
腰を落として銃を構えるだけで非常に様になります。
続いてアームからハンドにかけてのパーツを見ていきましょう。
本商品は(腕部のみならず)銀のフレームに装甲をまとわせていくスタイルのトイです。
フレーム部分に汚し塗装は殆どなくキレイ目、装甲にはハード目にチッピング塗装が施されていて非常にメリハリがあります。
親指は付け根の他に関節が1つ、親指以外の指には2つの関節が備わっており、火器の保持だけでなくグッと握りこぶしを作るまで深く関節が可動します。
ハンドパーツを上から見てみましょう。
指は4本の構成。繊細な作業をこなすよりもパワーに重点を置いたメカであることが見て取れます。
マーベル好きの僕からすると4本指のメカと言えばアイアンマンMark-44「ハルクバスター」。
重装甲・重武装のメカが4本指を採用しているのは個人的に「設計者、分かってるね!」と言いたくなるポイントです。4本指メカは浪漫……
市外戦メカと同様、脚部にサブアームを生やしてシールドを保持することが可能です。
市街戦メカのシールドはラウンドした形状で、軽火器による銃撃を跳弾によって防ぐ思想に基いて採用されたことが予想されます。
市外戦という環境は敵対勢力のメカも重火器を持ち込めない状況です。また、建物に潜んだ歩兵からの銃撃を受ける状況も考えられます。いずれもさほど破壊力の高くない軽火器による被弾が想定されるため、曲面装甲で銃弾を弾いて防御することを目的にあの形状のシールドが装備されているのでしょう。
一方の重装メカは、開けた土地が戦闘フィールドに戦う機体ではないかという推察を前述しました。開けた土地では密集地での取り回しを考慮しない重火器を装備した敵との邂逅が予想されるため、分厚いシールドを採用しているものと思われます。
重装メカの持つシールドは現行兵器におけるリアクティブアーマーのようなディテールがあります。これは砲弾の直撃を受けた際に爆発反応を起こすことで、本体へ深刻なダメージが及ぶことを回避する目的で採用される装甲です。
(余談ですが、現在ウクライナ問題の只中にいるロシア軍がこの種の装甲の研究に熱心な国として知られています)
シールド裏側はいくつもの5mm穴が開いています。
こちらにジョイントパーツを挿すことにより、好きな位置でシールドを保持することが可能です。
また、このシールドは同型の他のシールドとの連結が可能なようですので、気に入った方は複数購入もアリです。多々買いに備えよ!
サブアームの先端が黄色くカラーリングされているのが可愛らしいポイント。
同時に重機然としたカラーであるため、いかにもパワーがありそうな感じが良いですね。
アームは可動部の塊で、回転・開閉・捻りといった複雑な動きに追従してくれます。
市街戦メカ同様、給弾ベルトを携行火器に付け替えることも可能です。
腰部のマガジンから給弾ベルトを介して随時弾薬が補給されることで長時間の戦闘行為が可能になります。
軽量であるとはいえ、片手で火器が容易に保持可能な指関節の強度に驚きます。
指関節の触り心地は国産トイで言うとバンダイのRGシリーズの「アドバンスドMSジョイント」に非常に近いものを感じます。
以上、闇源シリーズより「アイアンレッカー04 重装メカ」の紹介でした。
星間連邦第1軍団の時も感じましたが、JOYTOYというブランドは複数のキットで大部分のパーツを共有しながら、ポイントを絞ったパーツ変更により全体として異なる機体・兵士に見せるテクニックに優れていますね。
筆者は「星間連邦第1軍団」、そして今回の「闇源」……と、JOYTOYが展開する2つのシリーズに立て続けに触れてきましたが、いずれも高いプレイバリューと広い可動範囲を誇ります。何より塗装による質感表現が非常に優れている点がブランド共通のストロングポイントだと感じました。
※当初は塗装やタンポ印刷の丁寧さに驚いていましたが、今ではあまり驚かなくなってきている自分がいます。
完成品トイだけでなくプラモデルも愛好する自分には、このキット1つを仕上げるのにどれだけ塗装の工程を踏んでいるかがある程度予測できます。価格自体は1万円オーバーと少し高めに感じるかもしれませんが、塗装にかかる手間と人件費を考えると僕には寧ろ安いくらいに感じます(「闇源」シリーズは特に)。
拙文ではございますが、当エントリを読んでこのシリーズに少しでも興味を持った方は是非購入を!きっと価格以上の満足感がありますよ!
個人的には近接武器があると遊びの幅が広がるので、今後付属してくれると嬉しいですね。
バトルアックスとか似合いそうです。
「重装メカとパイロットの、明日はどっちだ」
(このサイズのメカはパイロットとのドラマを感じさせる写真が撮れて良いですね)
商品情報:
【仕様紹介】
メカ:8.66インチ(22cm)
兵士:2.95インチ(7.5cm)
1/25スケール プラスチック製
高強度連結構造
【内容物】
アイアンレッカー04重装メカフィギュア×1
アサルトライフル×1
シールド×1
パイロットフィギュア×1
追加の手×2ペア
ヘルメット×1
ベスト×1
腿部アーマー ×1ペア
ショルダーアーマー×1ペア
前腕部アーマー×1ペア
シンアーマー×1ペア
コンバットベルト×1
ピストル×1
ライフル×1
© JOYTOY
■ライタープロフィール
ニックネーム:蒼人
出身地:日本・神奈川県
自己紹介:帰宅後に家事の合間を縫ってプラモ製作に勤しむリーマンモデラーにして毎週末劇場に足を運ぶ映画マニア。
TBSラジオのヘビーリスナーかつハガキ職人でもあります。
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