【テレパインタビュー㉕】コアなマニアならではの視点からメカロボット商品を開発!! 核誠治造の共同創業者・林氏にお聞きしました!

■メーカープロフィール
・会社名:広州核誠工芸品有限公司
・ブランド名:核誠治造
・SNS(WEIBO):@核誠治造
・住所:中国広州
・設立:2017年
■人気商品一部
(※以下、核诚治造の共同創業者・林氏からお話を聞きました)
────早速ですが、まずは「核誠治造」というブランド名の意味を教えて下さい
「はい、この「核誠治造」という4つの文字ですが、弊社の創業以来の会社理念を表しています。まず、「核心層(コア)」であるメカ愛好家に、「誠意」を感じさせるメカロボット商品を提供することです。「治」とは(プロ目線、真摯さ)の意味を込めており、「造」は文字とおり、製造、創造の意味です」

────このブランドを立ち上げたきっかけは?
「きっかけですが……メカ造形のおもちゃブランドを作ることは、自分の子供の頃からの夢なんです(笑)。
中国ではこの十数年間、アニメ・マンガそして関連グッズの商品市場が急成長してきました。日本をはじめ海外の人気造形メーカー様の商品が市場をリードしながらも、中国本土の新鋭造形メーカーが続々に誕生し、ユニークな商品を沢山送り出してきています。
多くの選択から好みの商品を選べるようになった今、かなりのマニア向けの商品でも消費者たちは目を向けています。これは我々にとっては理想的なタイミングだと判断して起業に至りました」
────そこまで「メカ造形商品」にこだわる理由はなんでしょうか?
「当社がメカ造形商品をメイン事業にする理由は、なんといっても創業チームのスタッフが全員、ロボットやメカ造形商品が大好きなマニアだからです(笑)。商品ジャンルも一般定義の「おもちゃ」よりもっとディープな、ハードコアなメカマニア向けに傾いています。なにせ子供の頃の夢を色々と具現化しているということで(笑)」
────核诚治造さんの商品の「プロダクトデザイン」において重視するポイントは? また製品の材料などについても教えてください
「商品のプロダクトデザイン面において、弊社が重視するポイントは、第一に楽しめること、その次にカッコいいことです。商品開発で、すべて技術面の工夫はこのふたつを実現するために展開しています。また開発中の商品の状況を常に確認し、バランス調整を行います。というのも、もし商品本体が造形テーマの理由で「可動性部分の遊びとしての面白さ」が欠けてしまう場合には、なるべく製品の材料選択や、塗装印刷の部分に工夫し、商品としてのクオリティーを向上させます。
例えば、弊社初期作品の「Ma.Kシリーズ」最初の製品である「LUNAGANS」は、こういうデザイン思想が反映されています。本体に多くの合金材料を採用することでロボットが持つべき重量感を表現しているのです。また色加減を繰り返し調整したカモフラージュ塗装にレトロコーティングを加え、新品とは異なる質感効果のあるユニークな仕上がりになりました。

核誠治造早期作品「Ma.Kシリーズ LUNAGANS」
商品材料の選定について、一般的にABS、PVC、PC(ポリカーボネート)樹脂および亜鉛合金を採用しています。ここは他の造形メーカーと大差はありません。開発する際は商品外観の細部表現と、内部構造設計など商品の各構成要素を配慮しながら材料を決めていきます 」
────大人気の「駮機製ROBOT BUILD」シリーズのコンセプトを教えてください!
「「駮機製ROBOT BUILD」シリーズは弊社が(メカ好きマニア)ならではの視点で企画した商品です。その意味を説明しますと
駮:「関節の接続」の意味です。このシリーズの本質であり、各商品企画の原点でもあります。
機:「ロボット、メカ」の意味です。このシリーズの外観と表現形式を指しています。
製:「再構成、再創造、リメイク」の意味です。プレイヤーは商品既存の形に縛られずに、自分からアイデア発想を駆使して新しいメカロボットを組み上げることです。大人向けの商品だけど、おもちゃとして「遊びの初心」を喚起して遊んでいただければと思っております(笑)。
────駮機製シリーズの遊び方をぜひ紹介してください。 どうやって2つ以上のメカを自由に組み合わせという考えを実現させるのですか?
「駮機製シリーズ全体すべての商品は、どんなに造形が異なっていても、パーツ接続の部分は共通していますので、自由に分解して再構成することができます。パーツの組み合わせによって全体の色合いや造形は、好みのままで「自分専用の巨大ロボット」を作り上げることができます。これがこのシリーズの核心要素であり、一番オススメの遊び方です。
男の子なら、だれでも幼い時にロボットのおもちゃを遊んだことがあるでしょう。また男の子なら、やはりみんなロボットが好きなんだと思います。そしてロボットのおもちゃといえば、みんなが馴染んでいる「ガンダム」は典型的な商品だと思います。ガンダムのメカ造形はとても特徴的で、シンボルマーク的なプロダクトデザインになっています。
私たちがこの商品シリーズを考えた際、まったく逆の発想で「固定シンボルマークの印象を持たないメカロボットのおもちゃを作ろう」と考えました。ロボットマニアの方ならやはり既存の商品だけでは満足できなく、自分から改造しちゃうんですね! そして一般的な市販のプラモデル商品を改造するには、それなりの腕、センス、そして職人技が必要で、だれでも簡単にできるわけではないのです。

このシリーズでは私たちの理想的な「メカロボットのおもちゃ」を具現化しようとしました。 ロボットには元の造形がありますけど、すでに変形改造の構造機関が仕込まれています。そして手軽に、自由に、メカロボットを改造・変形・合体できるようにしています。元の造形をベースにして改造してもいいですし、分解構成によってまったく見たことがない、新しいロボットを創り上げることもできます。普段これはプロのプレイヤーか、メカデザイナーしかできないことでしたけど、このシリーズのロボットは、一般人でも手軽に遊びながら、様々な組み合わせ方法を自分から見つけられます。またそれが慣れてくると、もっと楽しめる新たなアイデアが湧いてくるだろうと思います。
メカロボットのおもちゃが「買う時の快感」だけではなく「遊ぶ時の快感体験」をもっとボリュームアップしてもらうこと……これこそがこのシリーズの本心であり、より多くの可能性をプレイヤーたちに自らの手で発見してもらいたいと思います」
────今年の中国春節(旧正月)に多くの新製品と新シリーズを発表されましたね。各製品の開発進行状況を教えてもらえますか? また苦労している部分はありますか?
「はい、現在弊社では複数シリーズの開発を同時に進めています。どちらも全力で進めていますが、弊社はまだスタートしたばかりの会社なので、同時開発をやり遂げるのは容易ではないです(笑)。それでもなるべく自分たちの能力範囲内で、最大限にバランスを調整しながら作業を進めています。
核誠治造「メカ少女RB-Girls」シリーズ
今社内で一番リソースをかけているのは、ファンの皆様から期待高めている今年の完全新作「メカ少女RB-Girls」シリーズです。過去にやったことがない商品ジャンルで、先行している他社さんはすでに多くの高水準作品を出しており、競争もとても激しい市場だと感じています。弊社としては、この斬新な挑戦でやはりお目が高い客様を満足させるため、より高品質な商品を出さないといけないし、より多くの努力が必要だと考えております」
────社内のチームメンバーたちは、皆さんどのような経歴をお持ちでしょうか? 宜しれれば教えて下さい
「弊社は2017年に設立された会社で、現在のチームメンバーは約二十名、まだまだ小規模の企業です。メインメンバーの四人は、大学時代にプラモデル制作の趣味をきっかけとして出会い、意気投合してすぐに模型造形の同好会を作りました。大学から約20年間ずっと親友関係でした。

大学卒業後は、みんなはそれぞれ違う職業に従事していました。十数年を経ったけど、やはり全員、既定路線のつまらない人生より、夢を追いかけたいということをずっと忘れられなくて(笑)。年を取ったらもうチャレンジ的なことができなくなるではないか……という中年おっさんの危機感の理由(笑)もあります。家庭や子供など、それぞれ事情や負担はもちろんあるけど、本心に従おうと決断し、みんなが一緒に前職を辞め、起業に至ったのです」
────会社設立からこれまで、感じられた業界の「変化」についてお聞かせください
「現在、おもちゃ業界全体の競争は非常に激しくなったと感じています。またスマホゲームなどの電子製品は人々の趣味に使える「断片的な時間」を侵食していることも、おもちゃ業界に大きく影響を与えていると実感しています。
市場においては大手会社さんが全体のシェアをリードしているため、新設した中小ブランドにそんなに余地を残していないのも現実です。それに加えてECオンラインショッピングの普及とともに中間卸売業者さんの利益減少も著しく、それもおもちゃ業界全体に大きな影響を与えています。
そんな中で、競合相手は同業の他社ではなく、市場全体の環境そのものだと感じています。弊社の方針としてはトレンドを追うより、自社ならではの特色を伸ばしていきながら、同じメカロボット好きな「仲間たち」に、より優れた商品を提供することに専念したいと思っています」
────ところで、お気に入りの海外・日本メカロボットアニメやゲーム作品、おもちゃシリーズについて教えてもらえますか?
「それを言えば、数えきれないほどたくさんあります。もう40代のおっさんだけど、子供を寝かせた後はこっそりパソコンを起動させ、新作の日本アニメ番組を見たりしています(笑)。だけど自分たちが一番お気に入りなのは、やはり1980~1990年代の日本ロボットアニメとゲームですね。青春の思い出だから……。昔の作品だと『宇宙戦艦ヤマト』『新世紀エヴァンゲリオン』は印象に残るクラシックな作品で、最近ですと『十三機兵防衛圏』はとても気に入っています。
おもちゃについては、みんなの趣味はそれぞれなので暗黒系の怪獣モンスターや王道特撮のヒーローたちの関連商品、魂S.I.Cシリーズ、ダイアクロンシリーズ、巨大戦艦から鉄道模型まで、とにかく雑食系で色々コレクションしています(笑)」
────少し話し変わりますが、メカデザイナーのLASさんと共同企画商品がありましたけど、その経緯を少しご教授ください。どのようにやり取りしていますか?
「最初はインターネット経由で知り合いました。同じロボットマニアだから少しコミュニケーションしたらすぐに協力することを合意しました(笑)。そして商品発売までの期間中に、色々調整がありましたけど、困難を克服して現在「駮機製ROBOT BUILD」シリーズ商品として機体を三体完成させました。LAS先生は非常に真面目な人で、デザインのスビート速度も早いし、仕事以外でも私たちはすでに良い友達になっています」
※参考記事1:【テレパインタビュー㉓(上)】メカデザイナーLAS氏に取材インタビュー
※参考記事2:【テレパインタビュー㉓(下)】メカデザイナーLAS氏に取材インタビュー
────御社から発売済のメカロボット商品で、一番満足している製品はなんでしょうか?
「ないです! 私たちを満足できるのはいつも次の製品なんです(笑)。メカ製品という競合が激しい市場の中に、弊社ではの製品個性とマーケットのニーズにバランスを探り出したいと思います」
────商品と関係ない話ですが、核诚治造のオリジナルロボット作品は、今後アニメーションに登場する予定はありますか?
「現在はすぐにこのような計画はまだないですけど、弊社としてはこのようなコラボ企画はとても期待しています。ロボットアニメの実現には多くの協力会社が必要ですので、もし同じロボットマニアでこのような話にご興味がある会社さんがあれば、ぜひうちに連絡して欲しいです。楽しみにしています」
────社内の「おとなのコレクション」を見せてもらえますか(笑)?

「数が多すぎますよ(笑)。開発チームのみんなさんは、好みがそれぞれ違いますので、基本的には毎月少しずつコレクションを仕入れています。最近中国で流行りのアートソフビ、ブラインドボックスなどはもちろん、塗装済みの完成品ロボット、プラモデル、PVC美少女フィギュア、ガチャがちゃなど、色んなものを購入しています」
────将来的な商品開発計画はどのように考えていますか?
「発表済の企画以外、今は積極的にゲーム会社とコラボ商品計画を進んでいます。次の企画発表をぜひお楽しみにしてください。また将来的のことですけど、才能があるメカデザイナー、マンガ家たちと提携しより多くユニークなメカロボット製品を世に送り出したいと思っています」
────インタビューお疲れ様でした。最後に日本のファンに伝えたいことはありますか?
「まずは私どもも、そして日本の皆様におかれましても、コロナウイルス感染症とその影響が早く終わり、普通の日常生活に戻ることを心から願っております。
そして、この3年間は弊社も大変苦労な経験をしましたけど、それでも「面白いメカロボットを作る」ことは、私どもの最大のやりがいでしたし、ずっとやっていきたいと思います。 これからもぜひ応援よろしくお願いいたします!」
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核誠治造 駮機製ROBOT BUILD RB-15 「SORYU 滄龍」
核誠治造 駮機製ROBOT BUILD RB-11 「TITANK 影虎(かげとら)」
核誠治造 駮機製ROBOT BUILD RB-13 「PROTEUS 海神(かいじん)」
核誠治造 駮機製ROBOT BUILDRB-12「MEDUSA MKⅢ メデューサ」
核誠治造 駮機製ROBOT BUILD RB-09D「SILA 侍羅」
核誠治造 駮機製ROBOT BUILD RB-05D「SOLDIER ANTS 兵蟻(へいあり)」