top of page

【テレパインタビュー㉓(下)】変形ギミック&デザインがCOOL!SFコミック『BIRD/BINARY』の作者&メカデザイナーLAS氏に取材インタビュー


Profile

ニックネーム:LAS91214

SNS: @las91214

出身地:中国

職業:マンガ家、コンセプト&メカデザイナー

専攻:デジタルエンターテインメントと関連グッズデザイン










■Art Gallery



────LAS先生は、新鋭造形メーカーの核誠治造さんと「TITANK 影虎(かげとら)」、「MEDUSA MKⅢ メデューサ」、「PROTEUS 海神(かいじん)」の商品企画をされました。それはどうやって実現できましたか?


「核誠治造さんとの出会いは『鉄鴎アーマードガル』を連載していた時です。 核誠治造さんは当時、『鉄鴎アイアンガル』の版元会社とシリーズ商品の企画がありまして、私もそれがきっかけで核誠治造さんの作品を通してメカデザインの商品化を色々勉強ができました。彼らの商品プロダクトデザインは個人的にとてもお気に入りでした。


残念ながら『鉄鴎アイアンガル』の商品化はさまざまな理由がありまして最終的に実現できませんでした。それから自分の新作『BIRD/BINARY』の連載をスタートした時点で、核誠治造さんに声をかけました。向こうも、前回実現できなかった企画を今回はぜひ一緒にやりましょう!という気持ちで、自然に商品化が実現しました。

また、ここで裏話をしますと、『BIRD/BINARY』のメカデザインは最初から「商品化開発しやすい形に基づいて設計をし、それにアート的な表現要素を加えて補完する」というコンセプトで実行しました。それも短期間に商品化の実現ができることにつながりました」



────LAS先生は作品中に登場するメカをデザインする際に、商品化の現実性とプレイアビリティは最初から計算されていたんですね!


「昔はあまり考慮されていませんでした(笑)。だけど商業案件が増えて、ビジネスパートナーたちとのコミュニケーションを重ねるようになってから、今はとても重視しています。

たとえば、核誠治造さんより商品化して発売した「MEDUSA MKⅢ メデューサ」について、商品化は早めにできたけど、そのメカデザインは実は「TITANK 影虎(かげとら)」よりも後で設計されたんです。自分が重ねてきたメカ変形の経験は、メデューサの造形とその可動性として反映できていると思います。


現在自分の仕事スタイルは、多くのビジネスパートナーとのコミュニケーションを取りながら進めていますので、フィードバックを取り入れつつ、メカデザイン要素を考慮して調整するようにしています」



────LAS先生がデザインした陸戦メカ(「TITANK 影虎(かげとら)」)と空中戦メカ(「MEDUSA MKⅢ メデューサ」)は、完全に異なるデザイン言語で構成しているように見えますね。その異なるメカデザインスタイルはどのように考えて、そして実現させましたか?


「メカデザイン言語の核心となる部分は、やはりストーリーに基づく物語設定です。そして実際に各機体のメカデザインをする時は、「陸上戦闘用」、「空中戦闘用」という単純な用途上の区別でメカスタイルを考えるのではなく、物語中その機体が所属する勢力やストーリー中の立場を参考して総合的に考えた上で設計しています。

「MEDUSA MKⅢ メデューサ」はテロ組織「GORGON ゴルゴン」に属する機体であり、「GORGON ゴルゴン」はストーリー中の設定では「超技術」を持った組織であるため、「MEDUSA MKⅢ メデューサ」のデザインは他の機体と比べて、より想像力豊かな「現実と離れた」メカ造形になります。その一方、「PROTEUS 海神(かいじん)」と「TITANK 影虎(かげとら)」は元々設定上では軍事用のメカとして作られたもので、その設計スタイルも現実中の軍隊用装備外観に傾向しています」



────「TITANK 影虎(かげとら)」の分離合体・変形メカデザインはとても印象的です。実物商品も忠実に再現できたのは素晴らしいです。この発想にはのどのようにたどり着きましたか?


「実際のところ、「TITANK 影虎(かげとら)」元々のメカデザインは「一体変形」の仕様でした。だけど実際にビジネスパートナーの核誠治造さんとやり取りをする際に、実物商品化する際に材料とコストの制約について色々理解ができまして、メカ変形をデザインする際「取り」と「捨て」のバランス調整を配慮するようになりました。


自分はトランスフォーマーシリーズおもちゃのファンだったので、どうしても「一体変形」にこだわりがありました。だけど商品化が進むと共に、玩具おもちゃ業界以外の人々とのコミュニケーションが増えてきたところ気づいたのは、多くの方は変形メカ造形商品の「変形」を上手にできないことです。

様々変形モードを持つ「KALAVINKA 霞之鳥」


この問題点は、特に「KALAVINKA 霞之鳥」がリリースした後が顕著でした。お客様から「変形機構が難しい」という反応は多かったのです。自分は当初メカデザインをする際に、非常に複雑な変形構造設計を提唱しましたけど、やはり現実に商品化する際に、マニアではない一般人の方々でも楽しめるようにしないといけないことに気づいて、その後メカ変形機構に、ある程度妥協をするようにしました。

妥協とは言え、実際にメカ変形構造を設計する際には、この構造をシンプルにしながらも、より高い価値(面白く遊べる)にするように色々工夫しています。実はこれらの思考の結果は、主に「MEDUSA MKⅢ メデューサ」に反映されています。「TITANK 影虎(かげとら)」の商品化変形構造は、核誠治造さんが主導して設計開発したもので私のオリジナルデザインとはかなりの違いがあります(笑)」



────様々なメカ商品化案件を経験してから、LAS先生に何か影響がありましたか?


「最初の頃、私はメカ玩具をデザインする時は、「自分らしく表現」をどれだけできるかばかりを考えていまして、それを実際に商品として作れるのか、どれくらいの費用がかかるのかは特に考慮していませんでした。各造形メーカー様と様々な商品化案件を経験してから自分もそれなりに成長したと感じています。あとひとつ、メカ造形の設計期間は以前の数週間から数ヶ月に延長しました(笑)。


商品化をどうやって実現させるかは玩具メーカーの仕事でメカデザイナーが考慮すべきものではない、という考え方の人がいるかもしれません。実物商品化までを配慮するメカデザインが難しくなるのは確かなことですけど、こういう「鎖で縛られながら踊る」のは一種の修業だと思っています。自分を完全に恣意的な創作状態にすると、最後に出来上がった作品は過去「筋肉の記憶的なもの」になってしまいます」



────LAS先生がメカデザイナーから見てお好きな日本玩具メーカーと作品シリーズと、その評価するところを教えてください


「個人的にはコトブキヤの「HEXAGEAR」シリーズがとてもお気に入りです。自分も多数を所持していて、分離合体再構成するのに相当な時間をかけて楽しみました。こういった自由に組み合わせできる遊び方と、構造上の安定性は他メーカーの商品ではなかなか見られない特色だと感じています。


またメカのデザインスタイルも非常に先端前衛的なセンスで、他のメーカー様がやらないことを敢えて格好良くやってくれていると思います(笑)」



────LAS先生の今後中長期的な目標と計画を教えてください。


「現在一番の目標は、やはりマンガ『BIRD/BINARY』をきちんと連載すること。まずはそこに専念したいと思っています。またビジネスパートナーたちと協力し、新製品の開発も引き続き行い、商品ラインナップをどんどん大きくしていきたいと思います。まあ、安定的な作品創作は基本です(笑)」



────貴重なロングインタビューどうもありがとうございました! 最後に、日本のファンたちに何か言いたいことはありますか?


「いつもご声援、どうもありがとうございます。今後はもっと面白いメカロボットをデザインしていきますので、ぜひご期待ください!」


 

LAS先生が手掛けたメカは、ホビーテレパオンラインショップにて好評発売中!ぜひチェックください!


bottom of page