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リアルな戦艦大和が巨大武者ロボットに変形!? 驚天動地の超弩級ロボットトイ『冥和』登場!!


どこからどう見ても戦艦大和のスケールモデルですが、変形します。マジで?


 これまたとんでもない変形ロボットトイがやってきました。戦艦大和が鎧武者に変形する、というコンセプトのアイテムなんですが、まずは上の写真をだまってご覧いただきたい。謎の分割線がちょこちょこあるものの、どう見ても大和のスケールモデルですね。これが変形する。本当に……?


 そのまさかを成し遂げてしまったのが、『冥和』という製品。なんでもこれは、中国のSFコミック『超合金艦神』に登場するメカとのこと。『超合金艦神』の舞台は陸地が水没した未来の地球で、人類に攻撃を仕掛けてきた「アトランティス帝国」に対し、人類がかつての戦艦を最新技術で甦らせ巨大ロボットに変形させて立ち向かうというストーリーだそうです。なるほど……?

『超合金艦神』はこんな感じの絵柄の漫画です


 そのストーリーの中でかつての戦艦大和も『冥和』という名前で蘇り、中国海軍の現用艦をモチーフにしたロボットで戦う主人公チームの前に立ちはだかる……ということのよう。ただ、当初はライバルだったものの、最終的には主人公側と共に真の敵であるアトランティス帝国と戦うという展開のようで、これはけっこう美味しい役所ですね。あと『超合金艦神』は女性キャラクターがモリモリ出てくるハーレムものっぽい内容でもあるらしく、絵柄も相まってゼロ年代前半~中盤あたりの深夜アニメ感が。日本にもあったもんな……『タクティカルロア』とか……。

改めて見ても、マジで大和だ……


後方から見たシルエットもほぼ完璧

違いといえば、艦底に入っている鯉のぼりのウロコみたいな模様くらい。おれが大和のプラモ作るより完成度高そう……


 そんなゼロ年代の思い出が脳裏をよぎりますが、『冥和』は「戦艦大和を変形ロボットトイにする」ということに関してガチガチの大真面目に取り組んだ逸品です。まず形がほぼ完全に大和。変形の都合を感じさせるデフォルメや省略は最小限に止められており、「オルトモードは完全に大和じゃないと意味がないんじゃ!」というメーカーの気合が感じられます。



 また、製品の寸法に関しても「戦艦形態での長さが460㎜→大和の主砲口径の46㎝に由来」「戦艦形態での高さが94㎜→大和の主砲の名称である九四式に由来」「艦神形態頭部まで(武将兜外した状態)の高さが263㎜→大和の全長である263mに由来」と小ネタが盛り込まれており、並々ならぬやる気を感じます。オタクか?

この密度感! 

マストから後ろも見事な出来栄え

主砲&副砲の砲塔は回転。主砲の砲身はバラバラに角度をつけられます

艦首錨甲板にはちゃんと鎖のモールドが

艦尾のジブクレーンは動かすことができます

スクリューはちゃんと金色! くるくる回して遊べます

どこから見てもかっこいいな

が、艦底にはなにやら具がはみ出ております


 細かいところを見てもこだわりまみれ。主砲および副砲の砲塔は回転し、主砲の砲身は3本バラバラに仰角をつけることができます。大量の対空兵装も砲身がつながったり潰れたりといった省略がされておらず、ちゃんと砲身として生えているのもすごい。艦橋やや煙突のような構造物もよくできています。今時の超精密な艦船模型並みとはさすがに言えませんが、しかし十分にスケールモデル的な説得力があると思います。で、これが変形する。本当に?


では、トランスフォーム! ちなみに破損が怖かったのでマストは外しています

艦上の構造物を取り外したり移動させたりして……

艦尾を大きく割る!

ガワを畳んだり移動させたりして……

下半身が完成!

今度は艦の前半を真っ二つに!

こちらもガワをバラしつつ畳んで……


腕を引き出しつつガワを移動して……


胴体を作ったら完成!


 トランスフォームの順序は上の写真の通り。基本的にはいわゆるガワ変形と言ってよく、ロボット自体は「両腕を肩の上に伸ばし、脚はまっすぐ伸ばし、頭は胴体に収納する」という形で船体に収まっています。その状態から船体を分割してガワを剥がし、移動させて折り畳みつつ、手脚を動かしてロボット状態にする……というのが基本的な変形プロセスです。


 が、正直言って変形はけっこう難しい! なんせ大和の外見を完全再現しているのが特徴なので、戦艦形態でのガワの形状が変形の都合にあんまり寄り添っておらず、各部品の噛み合わせはかなりタイト。破損させずにガワを分解して剥がして折り畳むのに神経を使います。そしてなにより、細かい部品が多くてどこを持っていいかわからない! 主砲の砲身などはそれなりに頑丈にはできていますが、艦橋周辺の作りはやっぱり繊細なので、変形中の手の置き場にめちゃくちゃ困る! ただ、このあたりのいじりにくさは「大和を限界まで再現した変形ロボットトイ」というこのアイテムのコンセプトに関わる部分ですし、「変形の面白さ」を追求したロボットトイとは根本的な立ち位置が異なるということでしょう。


これにて完成! デカい! そしてかっこいい!

背中はガワだらけですが、配置が上手いのでけっこう甲冑に見えます。艦首を立てて旗指物に見立てるというアイデアもナイス。ちゃんと家紋もモールドされてます

付属品はこんな感じ。刀と兜は変形後に取り付けます

ベースの中にスタンドの支柱を入れておける親切設計


 で、付属の刀をつけて兜を被せて、ロボット形態に変形した姿がこちら。文句なしの鎧武者! めっちゃかっこいい! 前述のように強烈なガワ変形ではあるんですが、ガワの位置や重なり感が日本の甲冑っぽい感じにうまく調整されており、ガワ感がそこまで強くない&ちゃんと鎧武者に見えるのには驚きました。砲塔は肩や脚の装甲にちゃんと均等配置されるよう、艦内に隠れていたものがふたつ出てくる仕様。そのおかげで、艦上の武装類がロボット形態でも活きるようになってるのもイイ! 肘や膝、脛には金属部品も使われていて、重量はあるものの可動させた時のガッチリした安定感もグッド。

兜なしだとこんな感じ。「カクレンジャーのロボットってこんな感じだったな〜」と思いましたが、画像検索したら全然違いました

肘の関節や脇腹をロックする部品は金属製。頼もしい

脛部分にも金属部品が使われているので、立たせても安定感があります

股関節は引き出し式。ガンプラでよく見るやつですね


関節を引き出せば立膝もできる!

そしてもっと頑張れば飛び蹴りもできる!

刀はつかの部分の窪みを手のひらの出っ張りに食い込ませて持たせる作り。けっこうしっかり持てます

やっぱ武器持たせると締まりますね!

砲塔の可動が生きてるので、「全砲門撃て!」みたいなのもできます。嬉しい

 現代のアクションフィギュア並みとはいきませんが、胴体が前傾できたり肘や膝は二重関節だったり、はたまた全部の指が独立して可動したりと、ロボットのオモチャとしての遊びごたえにもかなりの配慮があります。特に股関節は脚の付け根にクランク型の可動軸が入っており、思ったより前の方まで脚を持ち上げることが可能です。そして、付属のスタンドがけっこう優秀。冥和は大きさや金属部品の量といった理由からけっこう重たいんですが、底面の大きさが充分ある上にスタンドの支柱がかなりゴツいので、けっこう派手なポーズを取らせてもびくともしません。フィギュアを飾ったときにスタンドがグラグラ~っとしてると結構不安になりますが、そういう心配はなし! 信用できるスタンドとなっています。


 ちなみに、冥和はこんな三連装砲塔が五基で主砲合計15門の「超火力モード戦艦形態」にも変形させられます。

艦の前半に主砲の砲塔が3つ! めっちゃ強そう

後ろ側にも砲塔がふたつ! 大盛りすぎる


 この冥和、ロボット形態時の砲塔の数をボディの左右で揃えるため、艦内に追加の砲塔がふたつ格納されています。そしてこの砲塔を艦内に収納せずに戦艦形態に戻せば、「超火力モード」に変身! 艦の前半には主砲砲塔が3つで後半にはふたつ、主砲の数は合計15門という、名前の通りの火力ドカ盛り大サービス状態です。小学生が考えた最強戦艦という感じで、大変わんぱく。元気があってよろしい!

す〜ごい熱量のオモチャでした。もうお腹いっぱい

 というわけで、『冥和』でした。とにかく、大真面目に「戦艦大和をロボットに変形させる」というコンセプトに取り組み、そしてそれを成功させたことにまずは感服仕りました。何度も書きますが大和形態の完成度がとにかく高く、ここから変形するとは信じられない完成度です。この完成度のおかげで、なかなか変形の難易度は上がっちゃってますが……。


 そして、ロボット形態も綺麗に決まっているのは驚愕の一言。「古い日本の戦艦だから鎧武者型ロボットに変形する」という文脈の押さえ方もスマートだし、そのアイデアが考えオチになっておらず、豪華なロボットトイとしてきっちり着地しているのもすごい。ガワを何枚か重ねると鎧に見える、みたいなディテールも面白いですし、なにより大和の大きな特徴である巨大な砲塔がロボット形態でもばっちり活きているのも最高。よくぞここまで……と言いたくなるようなアイテムです。


 そんな『冥和』は1月中旬から、ホビーテレパオンラインショップと他各ECサイトより予約販売を開始する予定です。もしピンときたなら今すぐポチっちゃうのがおすすめです。まさかの変形が楽しめる超弩級ロボットトイ、ぜひお見逃しなく!!

 

内容物:「冥和」変形戦艦メカアクションフィギュア×1

武将兜×1

刀×1

脇差×1

展示収納兼用台座 ×1

展示用パーツ(戦艦形態用)×2

展示用パーツ(艦神形態用)×2

初回予約特典:主砲射撃エフェクト、必殺技エフェクト

ブランド:ホビーテレパ

商品カテゴリ:塗装済み完成品アクションフィギュア

JAN:4580717640158

発売時期:2023年7月発売予定

素材:PVC&ABS、POM、合金

重量:1.3KG

スケール:ノンスケール

サイズ:艦神形態全高約310mm、戦艦形態全長約460mm、全高約94mm

©Alloy Fleet

 

■ライタープロフィール

ニックネーム:しげる 出身地:日本・岐阜県 自己紹介:フリーライター。ホビー誌などでいろいろな原稿を書く傍ら、毎月けっこうな量のオモチャを買って遊びながら暮らしています











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